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復興の灯 天の仲間へ…陸前高田の消防団員 津波で11人犠牲 思い胸に[Tokyo2020+]

  
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震災遺構の旧「道の駅高田松原」の前を走る聖火ランナーの米沢伸吾さん(17日夜、岩手県陸前高田市で)=川口正峰撮影
震災遺構の旧「道の駅高田松原」の前を走る聖火ランナーの米沢伸吾さん(17日夜、岩手県陸前高田市で)=川口正峰撮影

 東京五輪の聖火は17日、東日本大震災で被災した岩手県沿岸を巡った。1808人が犠牲になった陸前高田市では、同市消防団の米沢伸吾さん(44)がランナーを務めた。津波で命を落とした仲間の団員11人への思いを胸に、再生した街を駆け抜けた。

 10年前の震災後、消防団員をやめようと考えた。所属する高田分団第1部の20人のうち、住民の避難誘導などをしていた11人が亡くなった。消防団として捜索中、 半纏はんてん 姿のまま犠牲になった団員を目にした。同級生の団員の遺体を運び、「どうして逃げなかったんだ」。心の中で叫んだ。

 団活動以外でも、一緒にフットサルを楽しみ、酒の席で語り合った。「なぜ、亡くなるようなことまでしないといけないのか」

 米沢さん自身、避難誘導中に見かけた高齢者を車に乗せて逃げる途中、約10メートル後方まで津波に迫られた。

 消防団にとどまったのは、仲間の犠牲を無駄にしてはいけないとの思いからだ。今は「団員こそ避難のリーダーになるため、率先して逃げろ」と仲間に言い続けている。

 聖火ランナーには「地域を守るために活動する消防団の存在を知ってほしい」と応募した。

 手を挙げた理由は、もう一つある。一緒に理容店を経営していた父を津波で亡くし、店も流された。失意の底にいた時、全国の理容店からハサミやバリカンなどが届いた。店を再建することもできた。

 「支援への感謝と、自分も元気でいることを全国に届けたいと思った」。聖火をつなぎ、笑顔で語った。

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2134273 1 東京オリンピック2020速報 2021/06/18 05:00:00 2021/06/18 05:00:00 2021/06/18 05:00:00 震災遺構の旧「道の駅高田松原」(タピック45)前を走る聖火ランナーの米沢伸吾さん(奥は(17日午後7時28分、岩手県陸前高田市で)=川口正峰撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210618-OYT1I50017-T.jpg?type=thumbnail
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