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[決意]<上>ニッポン柔道 見よ一本…開幕まで1か月[Tokyo2020+]

  
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昨年12月の代表決定戦で丸山(左)を破った阿部。初の五輪で金メダル獲得を誓う
昨年12月の代表決定戦で丸山(左)を破った阿部。初の五輪で金メダル獲得を誓う

 東京五輪の開幕まで、23日であと1か月となった。新型コロナウイルスの世界的流行に見舞われる中でも開催を信じて鍛錬に励み、待ちに待った地元開催の大舞台に立つアスリートの決意を追う。

阿部 お家芸背負う覚悟

 「東京五輪では圧倒的に勝つ。前に出る豪快な柔道で金メダルを目指す」。22日、所属先の壮行会に出席した柔道の若きエース、阿部 一二三ひふみ (23)(パーク24)が、初の五輪に向け力強く語った。

 五輪競技に初採用された1964年東京大会以来、ニッポン柔道が獲得した金メダルは39個。84年ロサンゼルス大会での山下泰裕とラシュワン(エジプト)の激闘、3度目の挑戦だった2000年シドニー大会で初めて頂点に立った田村亮子の歓喜――。4年に1度の大舞台で数多くのドラマが生まれてきた。

 1988年ソウル大会では、各階級で次々と優勝候補が敗れる中、一番最後に登場した95キロ超級の斉藤仁が金メダルを死守し、「やっと日本に帰れます」と男泣きした。銀メダルでも「負けた」と言われるお家芸の重圧は計り知れない。

 阿部にとって憧れの柔道家は、男子60キロ級の野村忠宏だ。柔道を始めて間もない小学1年の夏、2004年アテネ大会で柔道界初の3連覇を果たした野村の姿を見たのが、五輪を目指す原点だ。「金メダルを取って当たり前と言われる中で3連覇したのはすごい。自分はその上を行きたい」。4連覇を究極の目標に掲げ、「そのためにまずは東京五輪で優勝する」。お家芸を背負う覚悟は十分だ。

 阿部が日本代表に決まったのは昨年12月。丸山城志郎(ミキハウス)との異例の一発勝負は、柔道史に残る24分間の激闘だった。大内刈りで勝利を決めた瞬間、「色々な感情が一気にあふれてきた」と感極まった。

 阿部を除く13人の代表は昨年2月までに内定し、阿部と丸山が争っていた男子66キロ級だけが先送りされた。直後に五輪延期が決定。コロナ禍で道場使用が制限された間はひたすら走り込み、対人練習の解禁後は、丸山と同じ左組みの相手と稽古を繰り返した。一発勝負で力が発揮できるよう、減量後の回復が早い食事も専門家から学んだ。

 待たされた9か月半、五輪への道が見えないもどかしさは募ったが、「気持ちが切れることはなかった」。代表内定後、最初の国際試合だった今年4月の大会で優勝。「自分自身の進化を感じた」と手応えを口にする。

 阿部が東京五輪に登場する7月25日、妹で女子52キロ級代表の うた (20)(日体大)も畳に上がる。大会序盤、日本選手団全体に勢いをつけるためにも、2人が担う役目は重要だ。「きょうだい同時優勝を歴史に残したい。自分の柔道をすれば、一本を取るニッポン柔道を見せられる」。57年前、五輪柔道の歴史が始まった聖地・日本武道館で、同時金メダルの夢をかなえると誓う。

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2147700 1 東京オリンピック2020速報 2021/06/23 05:00:00 2021/06/23 05:00:00 2021/06/23 05:00:00 柔道。東京五輪男子66キロ級代表内定選手決定戦。丸山城志郎(左)に勝利した阿部一二三=代表撮影。東京都文京区の講道館で。2020年12月13日撮影。同月18日読売中高生新聞[NEWS DIGEST]「内村選手3年ぶりV 柔道66kg級阿部選手 ほか」掲載。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210623-OYT1I50017-T.jpg?type=thumbnail
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