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五輪医療 準備へ苦心…開幕1か月前[Tokyo2020+]

 
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辞退相次ぎ 補充懸命・コロナ下 暑さも警戒

 東京五輪は23日で、開幕まで1か月となる。パラリンピックを含め、会場などには選手や観客のケガや熱中症に備え、医師と看護師が1日最大約540人配置される。大会延期後、辞退者が続出し、大会組織委員会は苦心して欠員補充をしたが、暑さ対策に課題が残る。

■大学病院

 「東京大会の延期後、予定していた医師らの半数以上が辞退してしまった」。トライアスロンなどが行われる「お台場海浜公園」(港区)の医療責任者で、昭和大学病院の八木正晴医師(50)が、こう打ち明けた。

 観客用医務室では1日当たり医師2人、看護師3人が働く。組織委の要請を受けた昭和大が、競技を行う7日間と予備日の人員を確保。だが、新型コロナウイルスの対応や退職、異動を理由に辞退が続いた。系列病院に改めて募集をかけても、必要な人数は集まらなかった。

 競技会場の観客用医務室は、主に大学病院から派遣された医療従事者で運営する予定だった。しかし、大会延期後、欠員が相次ぎ、以前のように集められない病院も目立った。

■海外医師も

 そこで組織委は今春、負傷した選手の治療を担うスポーツドクター200人程度を募集した。今回は熱中症や、感染疑いのある観客への対応も役割に加えたが、2倍近い約400人の応募があった。

 ほかにも、産婦人科医や精神科医など、一般的な救急医療に慣れていない医師も集められた。

 看護師は、地域医療を支える病院からの派遣は困難なため、業界団体を通じ、子育てなどで離職した「潜在看護師」を探した。東京都の新型コロナワクチンの接種会場で、打ち手になる人以外を選んだという。

 国際オリンピック委員会(IOC)も、各国の代表選手と来日する医療スタッフの一部を日本側に提供する意向を示した。100人超が協力を申し出ており、組織委は、感染した選手を収容する宿泊療養施設での健康チェックなどを担ってもらう予定だ。

 組織委の橋本聖子会長(56)は8日、医師の9割、看護師の8割確保の見通しが立ったと説明し、月内に医療体制を整えるとした。幹部の一人は「今後、感染が拡大すれば、辞退者が出る可能性があり、気が抜けない」と語った。

■両立困難

 医務室の運営には、暑さ対策と感染防止の両立という大きな課題もある。

 感染が疑われる選手や観客向けに隔離室を設ける。医師らは医療用ガウンやマスク、手袋を着用するが、屋外競技は炎天下で救護をすることがあり、熱中症の危険性が高まる。

 ボランティアは会場を見回り、体調不良の観客がいないか探す。不用意に接近すれば、感染する可能性も出てくる。今月中旬以降、会場ごとに研修が始まっており、患者対応などの具体的なルール作りを求める声が上がっている。

 ハンドボールなどが行われる国立代々木競技場(渋谷区)の医療責任者で、東京医科大学病院の織田順・救命救急センター長(52)は言う。「入場待ちの人が熱中症になるなど、心配は尽きない。残された時間は少ないが、可能な限り課題を洗い出して準備したい」

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2147709 1 東京オリンピック2020速報 2021/06/23 05:00:00 2021/06/23 05:00:00 2021/06/23 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210623-OYT1I50019-T.jpg?type=thumbnail
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