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ALS告げられ「仕方ない」、仲間と臨んだ聖火リレー

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 東京オリンピックの聖火リレーが1日、千葉県内で始まった。山武市の蓮沼海浜公園を会場に点火セレモニーが開かれ、ステージ上でトーチを近づけて火を移す「トーチキス」が行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、21市町で行われる予定だった走行は見送られたが、この日、参加した70人のランナーはそれぞれの思いを胸に聖火をつないだ。

トーチを手にポーズをとる久根崎克美さん(中央)
トーチを手にポーズをとる久根崎克美さん(中央)

 全身の筋肉が衰える難病・筋 萎縮いしゅく 性側索硬化症(ALS)を患う久根崎克美さん(58)は、鴨川市の自宅から車で約2時間かけて会場入りした。寝たきりになってからは経験したことのない長距離移動。6月27日、ストレッチャーに乗る流れなどを入念に確認した。「本番で車酔いなんて避けたいからね」と、人一倍、聖火を待ち望んでいた。

 4年前、ALSを告げられた。「なっちゃったものは仕方ない」と、障害者が暮らしやすいまちづくりに、残りの人生をささげようと決めた。体が動かず、困難続きでも、妻と笑いの絶えない生活の様子をSNSで発信。大学で講演したり、広報紙で障害にまつわる連載を執筆したりと、精力的に活動してきた。

 思いに共感した仲間が、「くねちゃんを応援する会」を作り、身の回りのサポートをしてくれた。「周りに支えられ、生きている自分に気づいた」。医師や看護師、介護士ら多くの人に感謝を伝える絶好の機会と、聖火リレーに応募した。

 本番では、その仲間や、4年間点滴治療をしてくれている看護師らと会場の舞台に立ち、「最高の気持ちです」と涙を浮かべた。「難病と闘う人たち、支える人たちに感謝の思いを示せた」と語った。

 トーチは鴨川市に寄贈する。市内の小学校や病院などで巡回展示してもらうつもりだ。「障壁のない、誰もが参加できる社会の象徴になれば」と願っている。

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2172670 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/02 09:32:00 2021/07/02 09:32:00 南房総市の他のランナーらと共に記念撮影に臨む久根崎克美さん(前列右から2人目)(1日午後3時33分、山武市で)=早坂洋祐撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210702-OYT8I50001-T.jpg?type=thumbnail
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