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柔道60キロ級で主審…花火師、天野安喜子さん

  
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カギ握る試合裁く覚悟

 江戸時代から約360年の歴史を持つ「宗家花火 鍵屋かぎや 」の15代目当主が、柔道の東京五輪審判員として畳に上がる。2008年北京大会以来2度目の五輪を「約20年の国際審判員としての集大成」と位置づける。(2021年7月4日付朝刊掲載)

東京五輪で柔道審判員を務める花火師の天野安喜子さん。東京都江戸川区で。
東京五輪で柔道審判員を務める花火師の天野安喜子さん。東京都江戸川区で。

 定評のある判断力と実績を買われ、阿部一二三選手と丸山城志郎選手が争った昨年12月の男子66キロ級代表内定選手決定戦の主審を任された。試合前は「心が揺らぐ」と、2人の情報を一切入れなかった。

 「『悔いなし』と選手が思ってもらえる裁きにしたいと思っていた。受けて立つ覚悟はあった」。柔道史に残る延長戦の死闘は、規定の試合時間4分をはるかに超え24分に及んだが、反則負けとなる三つ目の「指導」を出すタイミングは「本当になかった」。阿部選手が技ありを奪った瞬間は、スローモーションのように動きが見えた。

 3姉妹の次女。14代目の父・修さんの影響で柔道を始め、高校1年生で元世界女王の山口香さんを破った。一方で仕事の面でも父に憧れ、小学校2年生で家業を継ぐ決意を固めていた。23歳から花火工場で2年間修業し、00年に15代目を襲名した。

 花火大会では打ち上げる花火の色や形など演出を考案し、総指揮を執る。音やリズムにこだわり、「ずれがあるのが人間らしい」と、ほとんどの場合は手で合図を出す。「花火師としての覚悟だったり、瞬時の判断やリズムが審判に生きている」。普段は屈託のない笑顔で話すが、畳の上では りん とした立ち姿。柔道と花火、日本の二つの伝統に携わる集中力のスイッチに、ずれはない。(運動部 松田陽介)

天野安喜子あまのあきこ さん  50 東京都出身。2001年に国際柔道連盟審判員となり、09年には日本大学で芸術学博士号を取得した。昨年は新型コロナウイルスの感染収束を願う花火を各地で打ち上げた。

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2230732 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/24 12:26:00 2021/07/24 12:29:22 柔道審判で花火師の天野安喜子さん。東京都江戸川区で。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210704-OYT1I50097-T.jpg?type=thumbnail
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