ニュース

鉄棒一本で臨む内村航平、キング最終章へ「今の自分が輝けるのはやっぱり鉄棒」 

  
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 体操男子種目別の鉄棒に出場する内村航平。新型コロナウイルスの世界的流行に見舞われる中でも開催を信じて鍛錬に励んだ。待ちに待った地元開催の大舞台に立つ決意を聞いた。(2021年6月25日付朝刊掲載)

鉄棒に専念して集大成の五輪に臨む内村(6日の全日本種目別選手権で)
鉄棒に専念して集大成の五輪に臨む内村(6日の全日本種目別選手権で)

 「歴史に名を刻めるような演技、名場面を残せればいい」。過去3大会で金3個を含む7個のメダルを獲得し、「キング」と呼ばれる体操男子の内村航平(32)(ジョイカル)が24日、自身最後と決めている東京五輪への思いをオンライン記者会見で語った。

 19歳で個人総合銀メダルのデビューを飾った2008年北京大会。圧倒的な強さで個人総合王者となった12年ロンドン大会。団体総合で初めて表彰台の中央に立った16年リオデジャネイロ大会――。体操ニッポンの伝統を背負い、「全6種目を演技してこそ体操選手」との信条を体現してきた。

 自他共に認めるオールラウンダー・内村が、4~6月の代表選考会は種目別の代表権を得るために鉄棒一本で挑んだ。酷使してきた体が、全種目を戦うには限界を超えていたからだ。

 17年からけがが相次ぎ、19年の全日本選手権は両肩痛の影響で予選落ち。「五輪は夢物語」と語るほど、絶望的な状況に置かれた。

 暗闇に光をともしてくれたのは、18年夏に胃がんのため51歳で亡くなった高校時代の恩師、小林隆さんだった。19年の終わり頃、夢枕に立ち、「個人の金メダルは、団体よりも価値があるんだ」と告げられ、ハッとした。苦悩する教え子を見かねて、天国から道を示してくれたのだと思った。

 最重要視してきた団体での出場を諦めるのは「すごく勇気が要った」が、試しに鉄棒の練習に専念してみると、肩の痛みがうそのように治まった。約2か月後、決意を固め、鉄棒のスペシャリスト・内村が誕生。代表選考会で五輪金メダル級の演技を繰り返し、たった一つの個人枠をつかみ取った。

 これまで4大会連続メダルの偉業を達成した日本選手は、5大会連続の柔道、谷亮子(旧姓田村)を含め、体操の小野喬、レスリングの伊調馨、吉田沙保里の4人。だが、最後の大会で個人の金メダルを獲得したのは伊調だけで、谷は銅、吉田も銀に泣いた。1964年東京大会で団体総合の金を手にした小野も「鬼に金棒、小野に鉄棒」とまで言われた得意種目は6位だった。絶対的な王者といえども、最後まで頂点に君臨し続けるのは至難の業だ。

 冗談半分に「大長老」と自嘲する32歳のキングは、「思うように体は動かなくなるし、年齢の壁はある」と認めながらも、「最後の悪あがきじゃないけど、今の自分が輝けるのはやっぱり鉄棒」。磨き抜いた「後方伸身2回宙返り2回ひねり下り」を決め、有終の美を飾れるか。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2231029 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/24 14:30:00 2021/07/24 14:53:12 【サンスポ代表28 全日本体操種目別選手権 男子決勝】内村航平の鉄棒=6日、群馬県高崎市の高崎アリーナ(代表撮影)男子鉄棒の内村航平の演技(6日)=代表撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210706-OYT1I50070-T.jpg?type=thumbnail
続きを読む

「新型コロナ」のニュース

オリンピック 新着ニュース