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卓球・伊藤美誠…打倒中国全試合勝つ

  
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速攻バック 支える技術

 15歳で銅メダルに貢献した2016年リオデジャネイロ五輪は、団体戦のみの出場だった。それから5年で、女子シングルス、同団体、混合ダブルスの全3種目を任される絶対的なエースに上り詰めた。「全ての種目で全勝を目指して、いい色のメダルを持ってきたい」。3日に行われた日本代表の強化試合の後、観客に向けて宣言した。(2021年7月9日付朝刊掲載)

日本の大黒柱として「全種目全勝」を目指す伊藤美誠=大原一郎撮影
日本の大黒柱として「全種目全勝」を目指す伊藤美誠=大原一郎撮影

 国際大会のシングルスでは、18年の最終戦で台湾の選手に敗れたのを最後に、中国以外の海外勢に負けていない。12年ロンドン五輪では石川佳純(全農)がシンガポールの選手に、リオ五輪では福原愛が北朝鮮の選手に、ともに3位決定戦で敗れて4位に終わった。東京五輪の若きエースの安定感は、日本の女子シングルス初のメダル獲得へ大きな期待を抱かせる。

 昨年3月の大会でリオ五輪金の丁寧を破るなど、卓球界を席巻する中国勢とも互角に渡り合う。女子の馬場美香監督は2年ほど前、中国チームの変化に気付いたという。男子選手を練習相手につけたり、スタッフを増やしたりと、緊張感を漂わせていた。「向こうも本格的に強化してきている」。伊藤の成長が、初採用の1988年ソウル五輪から女子シングルスの金メダルを独占している「王国」の目の色を変えさせている。

 強さの秘密の一つは、ラケットのバックハンド面に貼っている独特のラバーだ。回転をかけづらく、扱いが難しいが、打球スピードが出やすい。トップ選手でこのタイプを使う選手は少なく、男女6人の日本代表でも伊藤だけ。球に不規則な回転がかかるという特徴もあり、相手はどうしても対策を立てづらい。

 そのバック面で、チキータレシーブやドライブなど強い回転をかける打球を次々と繰り出す。ラケットメーカー関係者が「このラバーであんな球をあれほど打つという概念が普通はない」と舌を巻く高度な技術は、「止めなければずっとやっている」と言われる練習のたまもの。既存の枠にない、相手をあっと驚かすプレーを生み出している。

 最後に海外勢と対戦したのは、今年2~3月にカタールで行われた2大会。いずれも優勝したが、中国勢は不在だった。ライバルとの対戦が遠ざかったまま五輪本番を迎えるが、不安はない。「(中国勢が)思ってもなかった、びっくりするような技術や戦術を出せると思う。いきなり本番の方が(相手は)嫌なんじゃないかな。私は大丈夫」。王国の牙城を崩す準備は出来ている。(今井恵太)

伊藤美誠(いとう・みま)  2000年生まれ。静岡県出身。2歳から卓球を始め、中学入学時から大阪市の卓球場を練習拠点としている。18、19年の全日本選手権で女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3冠を2年連続で達成。最新の世界ランキングは2位。スターツ所属。

世界1位・陳夢高い完成度

 女子シングルス代表は各国・地域2人までで、世界選手権などの国際大会に比べると中国選手は少ないが、「王国」代表の2人が伊藤の最大の強敵となる。世界ランキング1位の陳夢はフォアハンド、バックハンドとも威力があり、台上の技術も高く完成度の高い選手。伊藤と同世代で同3位の孫穎莎は、小柄ながら臆せずラケットを振って強打を放つ。

 国際大会で日本選手を苦しめている同8位の鄭怡静(台湾)、ロンドン五輪銅で同9位のフェン・ティアンウェイ(シンガポール)らも実力者だ。中国出身で他国に帰化している選手も侮れない。

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2230671 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/24 11:34:00 2021/07/24 11:34:00 伊藤美誠(3日、さいたま市で)=大原一郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210709-OYT1I50066-T.jpg?type=thumbnail
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