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セーリング470級、3年前に亡くなった「レジェンド」への思いを胸に上位狙う

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 東京五輪のセーリングは、4日午後に470級男女のメダルレース(決勝)が行われる。2人乗りの艇の全長が4メートル70で「ヨンナナマル」と呼ぶ。乗員の適性体重が130キロ前後で、体格差で劣る日本人も外国勢と戦いやすく、過去の五輪でも男女で1回ずつメダルを獲得している。男子の岡田奎樹・外薗潤平組、女子の吉田愛・吉岡美帆組は、3年前になくなった「あの人」への思いも胸に、上位を目指す。

日本初のメダルは「でこぼこコンビ」

 日本セーリング界が470級で初めてメダルを獲得したのは1996年アトランタ大会で、 (しげ) 由美子・木下アリーシア組の銀メダルだった。

 スキッパーと呼ばれる「かじ取り役」の重は身長1メートル50。全身を使ってバランスを取りながら帆を操る「クルー」の木下は身長1メートル75の“でこぼこコンビ”だった。

 小学生からヨットを始めた重と、大学から「軽い気持ちで」ヨットを始めた木下。性格もヨット歴もまったく違う2人の出会いはアトランタ大会の5年前だった。神奈川県で行われた大会に備えて宿泊した旅館でたまたま同部屋になった。92年のバルセロナ大会で5位に入賞していた重は、運動神経が良くて背の高い木下の素質を見抜き、声をかけた。「一緒に五輪を目指そうよ」

アトランタ・オリンピックのヨット女子470級決勝で、日本ヨット史上初の銀メダルを獲得し、ガッツポーズの重由美子(左)木下アリーシア組。1996年8月1日撮影。
アトランタ・オリンピックのヨット女子470級決勝で、日本ヨット史上初の銀メダルを獲得し、ガッツポーズの重由美子(左)木下アリーシア組。1996年8月1日撮影。

 息を合わせるため、木下が佐賀県唐津市にある重の実家に寄宿して二人のヨット人生が始まった。年長の重の厳しい指導、リーダーシップに木下が耐えて食らいつき、ヨット競技では男女通じて初めての快挙を成し遂げた。8年後の2004年アテネ大会では男子も続き、関一人・轟賢二郎組が銅メダルを獲得した。

母国開催の「追い風」に乗れるか

 その重さんは2018年12月に53歳の若さで亡くなり、東京大会での後輩たちの活躍を見ることはできなかった。

 日本勢はコロナ禍で男女とも思うような海外遠征ができず、国際試合で十分に腕を磨けないままの本番となったが、10レースを終えて男子が8位、女子が7位でともに上位10艇以内に入り、4日のメダルレースに進んだ。

メダルレースを目指して艇を操る女子の吉田(右)・吉岡組
メダルレースを目指して艇を操る女子の吉田(右)・吉岡組

 母国の江の島ヨットハーバーでの開催は「追い風」にもなる。4度目の五輪出場となる女子のスキッパー、吉田は「重さんを超えたいと思って練習してきた。江の島での練習で、毎日変わる風や海の変化を自然に感じられるようになった」と話す。アテネのメダリストの関から教えを受ける男子のスキッパー・岡田は、唐津西高時代に重さんの指導を受けていた。「基礎をたたきこまれたことが今に生きている。いい報告ができるように頑張る」と健闘を誓う。

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2258340 0 東京オリンピック2020速報 2021/08/04 06:00:00 2021/08/04 13:38:15 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210803-OYT1I50104-T.jpg?type=thumbnail
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