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競歩「金」へ高め合う…20キロ山西「負けられない」 50キロ丸尾「学ぶこと多い」

   
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「頂点へ準備」「一番の色を」

 東京五輪の陸上男子競歩でメダル獲得が有力な20キロ代表の山西利和(25)と50キロ代表の丸尾知司(29)(ともに愛知製鋼)が読売新聞のインタビューに応じ、同じ京都府出身で「実家の最寄り駅が一緒」というゆかりや、互いの強み、チームメートとしての相乗効果を語り合った。(聞き手・西口大地)

帰省しても一緒

 ――2人の出会いは。

互いに刺激し合って東京五輪に臨む山西利和(右)と丸尾知司=原中直樹撮影
互いに刺激し合って東京五輪に臨む山西利和(右)と丸尾知司=原中直樹撮影

 山西「大学に入った年の春過ぎの大会で会って、連絡先を交換した」

 丸尾「和歌山県庁に入った1年目。週末は大体京都に帰って練習していたので、彼と一緒にやりたいと思った」

 山西「大学で試合の距離が延び、どんな練習をしようかというタイミング。強い選手と練習できる機会があればと思っていた」

 丸尾「互いの実家の距離が3キロ程度と近いので、今でも帰省したら河川敷で一緒に練習している」

 ――3年前から同じチームに所属。互いにとってどんな存在か。

 丸尾「弟のようでも、兄のようでもある。練習後、私の車で一緒にスタバに行く時などは年下のいい友達。五輪に向かう道のりで、先に自分のゴール(到達点)を決め、必要な課題を挙げてトライする姿などには、学ぶところが多くあった」

 山西「本当に人との関わりを大切にしている。練習やそれ以外の時でも常に場を盛り上げてくれ、一緒にいてすごく楽しい」

思いを共感

 ――専門の距離は違えど、ともに五輪代表となった同僚の存在は大きい。

 丸尾「思いを共感できるのが、すごく助かる。(五輪が近づき)周囲とのギャップを感じる時も、つらい時は同じようにつらいんだろうと。五輪に一緒に向かう人が近くにいるのは大きいと、最近は特に感じる」

 山西「自分を律することも必要だけど、浮き沈みもある中で隣にいてくれるのは心強い。負けられないというか、適当なことはできない気持ちになる」

 ――競技者として互いの強みをどう分析するか。

 丸尾「練習や普段の取り組みを見ても、雑な部分がない。一つ一つ丁寧な取り組みができているからこそ、ピーキングがうまい」

 山西「試合に向かう時期も、鍛錬期でも気持ちのムラがない。昨年のコロナ禍での活動自粛中も淡々と練習を継続できる強さがあったから、着実に力をつけたのだと思う」

 ――対戦者の視点で相手の強さは。

 丸尾「最近はレース全体をコントロールしている雰囲気がある。国内のライバルたちも山西が、いつペースを上げるのかと迷いながら歩くほど、地力の高さを感じる」

 山西「何より気持ちの強さがすごい。代表入りを決めた4月の日本選手権50キロ競歩でも、先頭から離されても気持ちを切らさず逆転した。ここ一番にかける思いの強さを感じる」

実感なかった

肩を並べて歩く山西(左)と丸尾
肩を並べて歩く山西(左)と丸尾

 ――2人とも今回が五輪初出場。自分の中で五輪のイメージや原風景は。

 丸尾「シドニー五輪女子マラソンの高橋尚子さんの金メダルが思い浮かぶ。当時小学生で市民マラソン大会にも出ていて、マラソンで五輪に出たいと思った」

 山西「アテネ五輪の体操で、ゆずの『栄光の架橋』が流れてたぐらいのイメージ。自分がその舞台へ、とは全く考えていなかった。競歩選手として意識して五輪を見たのは前回リオデジャネイロ大会で、それまでは実感がなさ過ぎた」

 ――ともに国際大会の経験が豊富。過去の教訓や世界で勝つポイントは。

 丸尾「環境の変化にのまれると本来の力が発揮できないので、いかに普段と同じ環境を作り出すか。いつも使っているカップを持って行き、コーヒーを入れるなどしている」

 山西「国際大会の20キロでは、大体スローで入って後半ペースが上がっていく。それが苦手なら、違う形を自分で作れる地力をつけておけば、どんな展開でもある程度対応できる」

 ――日本の競歩はリオ大会男子50キロで荒井 広宙ひろおき (富士通)が五輪初の銅メダル。今村文男五輪強化コーチは今回、複数メダルを目標に掲げた。

 丸尾「一人でも多くの選手がメダルを取れるよう、かつ自分がその頂点であるために準備をしたい」

 山西「今村さんたち先輩方が連綿とつないだ日本競歩の歴史の中で、自国開催五輪の今こそがチャンス。そこに出る我々が、何とか一番いい色のメダルを持って帰りたい」

  やまにし・としかず  京都・堀川高1年で競歩を始め、3年時に世界ユース選手権1万メートル競歩で優勝。京大時代にユニバーシアード20キロで個人・団体ともに金メダル。18年に愛知製鋼入りし、同年アジア大会銀。19年世界選手権で優勝し、東京五輪出場を決めた。

  まるお・さとし  京都・洛南高2年で競歩を始め、びわこ成蹊スポーツ大、和歌山県教育庁を経て、2016年に愛知製鋼加入。同年から50キロに挑戦し、17年世界選手権4位、18年世界チーム選手権銅メダル。今年4月の日本選手権50キロで優勝し、東京五輪代表入り。

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2213710 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/17 05:00:00 2021/08/04 17:26:08 東京五輪でメダル獲得が期待される男子20キロ競歩代表・山西利和(右)と男子50キロ競歩代表・丸尾知司(7月4日、北海道千歳市で)=原中直樹撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210716-OYT1I50198-T.jpg?type=thumbnail
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