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伝説のPK戦で熊谷紗希が発揮した独特な力…東京五輪なでしこ初戦へ、頼れる主将

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 東京オリンピックのサッカー女子は、開会式2日前の21日に競技が始まる。日本(なでしこジャパン)がカナダを迎え撃つ初戦は午後7時30分、札幌ドームでキックオフ。なでしこのキャプテン・DF熊谷紗希(30)(バイエルン・ミュンヘン)は「一つでも前に進めるように、一番輝くメダルを取れるようにやっていきたい」と、地元五輪の開幕に意気込んでいる。(読売新聞オンライン・込山駿)

ウクライナとの国際親善試合でボールキープするなでしこジャパンの熊谷紗希(2021年6月10日、広島で)
ウクライナとの国際親善試合でボールキープするなでしこジャパンの熊谷紗希(2021年6月10日、広島で)

ショック尾をひかず、切り替えの達人

 7月14日、京都での壮行試合後。ほぼ同格のオーストラリアに、PKで奪った1点で競り勝つと、熊谷はインタビューで胸を張った。「(ディフェンスラインの)裏のケアやクロスへの対応ができた結果として、失点0で抑えられた。すごく自信になった」

 体が大きくてパワフルな選手をそろえたオーストラリアは、激しくボールを奪いにきた。攻め上がりにも速さがあり、なでしこは何度かピンチを招いた。だが、熊谷が統率する守備陣は、相手FWにフリーでシュートを打たせないよう、体を寄せ続けた。カナダとの本大会初戦やイギリスとの2戦目で不可欠となるハードな守備を体現した。

カナダとの東京五輪初戦に向けて調整する熊谷(左から2人目)ら(21年7月20日)
カナダとの東京五輪初戦に向けて調整する熊谷(左から2人目)ら(21年7月20日)

 なでしこの前戦は約1か月前だった。格下のメキシコを相手にゴールラッシュを演じ、5―1で圧勝したが、守備には危うさがあった。28分ごろ、熊谷は自陣でパスミスを犯している。幸い失点につながらなかったが、相手が力のあるチームだったら、きっちり決められていたはずだ。「ゴメン」と味方に手をあげて謝った。

 ここで落ち込んだり、ミスを引きずったりしないのが、熊谷の持ち味だ。間もなく、落ち着きと安定感のあるプレーを取り戻した。後半に味方のミスから失点した後は特に、手をたたいて周りを励まし、大きな声を出して意思疎通を図っていた。「課題を修正したい」というメキシコ戦後の言葉を、チームメートとともにしっかりと実現できたから、次のオーストラリア戦を無失点で終えられたのだろう。

 2011年のワールドカップ(W杯)ドイツ大会で、熊谷は日本の優勝に貢献した。その後はドイツやフランスの強豪クラブで長く活躍し、リヨン(フランス)の女子欧州チャンピオンズリーグ5連覇を支えた。身体能力の高い相手選手と渡り合ってきた中で、持ち前の競り合いでの強さに加え、精神力にも磨きをかけてきた。それを認めているから、高倉麻子監督は6月のメンバー発表時に、こんな発言をした。「メンタルが強く、器の大きい人間だと思う。このチームのキャプテンは紗希しかいない」

 気持ちを素早く切り替え、ショックを受けても尾をひかない――。熊谷は10年前、伝説のPK戦でも、強心臓ぶりをいかんなく発揮していた。

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2222341 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/21 06:30:00 2021/07/21 14:12:34 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210720-OYT1I50107-T.jpg?type=thumbnail
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