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自身のエンブレム刻まれたトーチつなぐ

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聖火をつなぐ野老さん(20日、中央区で)=米山要撮影
聖火をつなぐ野老さん(20日、中央区で)=米山要撮影

 東京オリンピックの聖火リレーは20日、東京都中央区の浜町公園で、トーチを交わして聖火を移す「トーチキス」が行われた。都内で12日目を迎えたこの日は、千代田、中央、文京、台東の4区を走る予定だったランナーが笑顔で聖火をつないだ。

 美術家の 野老(ところ) 朝雄さん(52)は、自身が手がけた「組市松紋」が2016年、東京五輪・パラリンピックの大会エンブレムに採用された。3種類の四角形45個が点で接するデザインで、国や文化・思想の違いを超えてつながり合うという「多様性と調和」の理念を込めた。

 この日、新型コロナウイルスに立ち向かう医療従事者や大会開催に向けて努力する人々への感謝とともに、大会に臨む選手への敬意を示し、エンブレムが刻まれたトーチを持って深々と頭を下げた。

 新宿区で生まれ、東京造形大を卒業後は英ロンドンで建築を学んだ。01年の米同時テロでは、それぞれの正義や憎しみがぶつかる中で、罪のない命が奪われる世界を報道で目の当たりにした。それ以来、独学で「 つな げること」をテーマに文様の制作を続けてきた。

 エンブレムの発表から5年。延期された大会の開幕が間近に迫った。街にあふれるエンブレムに誇りを感じる一方、コロナ禍で社会の分断はさらに深まっているように見える。感染終息の見通しが立たない中での開催となり、「正直、複雑な思いもある」と吐露する。

 それでも、古代五輪にならって国連が休戦の呼びかけを決議し、スポーツを通じた平和の実現を目指す五輪は、自らの理想と重なる。困難な状況の下で研さんを続けてきた選手も心から応援したい。「将来、振り返った時に、この大会が『希望』を残すものになってほしい」と願い、人々の間を引き継がれていく聖火をじっと見守った。

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2223388 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/21 09:34:00 2021/07/21 09:49:08 トーチキスする野老朝雄さん(20日午後1時48分、東京都中央区で)=米山要撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210720-OYT8I50119-T.jpg?type=thumbnail
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