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「若い頃の上野を見ているよう」20歳後藤、剛速球で火消し…ソフト2連勝

 
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 ソフトボールの1次リーグで日本はメキシコと対戦し、延長八回タイブレイクの末に3―2でサヨナラ勝ちして開幕2連勝。米国は1―0でカナダとの投手戦を制し、同じく2連勝とした。

好リリーフを見せた後藤希友=吉野拓也撮影
好リリーフを見せた後藤希友=吉野拓也撮影

 日本の、そしてエース上野の窮地を20歳の後藤が救った。警戒していたメキシコ相手に「負けたら決勝に行けなくなる」(宇津木麗華監督)大一番で、未来を担う左腕が快投を演じた。

 1点リードの最終七回、上野がつかまった。四球と連打で同点とされ、なお無死一、二塁。指揮官は若き左腕に火消し役を託した。

 「強い気持ちで上がった」と剛速球で果敢に攻めた。最初の打者を捕飛に打ち取ると、連続三振でこの回を切り抜けた。タイブレイクの延長八回は先頭を出し、野選も絡んで無死二、三塁として中軸を迎えた。このピンチに思い切り腕を振って連続空振り三振を奪い、四球を挟んで次打者は見逃し三振。無失点に抑えてサヨナラ勝ちにつなげた。

 1メートル74の長身に抜群の身体能力。日本の投手では上野に次ぐ最速110キロ超を誇り、高校生の頃から代表入りしてきた。ただ、所属チームでは米国代表のアボットの陰で登板機会が限られ、球種の少なさも懸念された。だが、宇津木監督が「若い頃の上野を見ているよう。上野がいるうちに育てたい」と15人のメンバーに入れた。

 2019年10月の日本リーグ戦。同じ球場で上野と投げ合い、五回に集中打を浴びて逆転され、打球が脚に直撃して降板した。脚を引きずりながら悔し涙を浮かべてから約2年。同じ場所で「自分を信じて投げられた」と胸を張った。最高の投球で、上野の後継者に名乗りを上げた。(星聡)

  日本・宇津木監督 「上野はエースなので、行かせられるところまで行かせようと思っていた。後藤は最高のピッチング。いずれ日本を背負う選手にしていきたい。(登板がない)藤田は調子は悪くない。そのうち出てくると思う」

渥美サヨナラ打…タイブレイク制す

延長8回1死3塁、渥美万奈(中央)のサヨナラ打で喜ぶ日本の選手たち
延長8回1死3塁、渥美万奈(中央)のサヨナラ打で喜ぶ日本の選手たち

 今大会初の延長戦で、日本が底力を発揮した。

 無死二塁から行われるタイブレイクの延長八回。我妻の二ゴロで走者の山田が三塁へ進み、9番渥美が左打席へ。1ストライクからの2球目、サインはヒットエンドラン。「必ずサヨナラにする」。投球動作と同時に、バットに当てやすくするためバントのように左手を上にずらし、外角球をたたきつけて遊撃へ。主将の山田が前進守備をものともせず、本塁へ滑ってサヨナラ勝ち。渥美は「八回表から場面を想定していた」と振り返った。

 山田は「ああいう細かいプレーはこの数か月ほぼ毎日練習してきた。その成果が出た」と語る。実際、バントを失敗して2ストライクに追い込まれた我妻も走者が進塁しやすい右方向へ転がすなど、1点をもぎ取る姿勢が徹底されていた。

 「簡単に勝つより、こういう試合を乗り越えた方が経験値も上がる」と山田。チームに弾みがつきそうな1勝だ。(佐藤雄一)

  メキシコ・ベルナンデス監督 「私たちはどの相手も恐れない。上野は世界でベストのピッチャーの一人で、素晴らしい投球をしていたが、私たちは立ち向かった。もっと成長していけるだろう」

バースデー 上野連投…7回途中10K

7回途中まで好投した上野由岐子
7回途中まで好投した上野由岐子

 22日に39歳の誕生日を迎えた上野が2日連続で先発し、七回途中2失点に抑えた。

 前日は制球が定まらず不安を残した初回を三者凡退で切り抜け、快調に滑り出した。前日よりもテンポを上げ、「侮れない」と話していたメキシコ打線から六回までに10三振を奪い、ほぼ完璧に抑え込んだ。

 だが七回、先頭への四球を足がかりに同点とされ、若い後藤にスイッチ。自身にバースデー勝利を贈れず、「最後はいっぱいいっぱいだった。後輩にもっといい形でバトンタッチしたかった」と悔しがった。

 それでも、心待ちにしていた福島での登板について、「一球一球思いを込めて投げられたことが財産。持っている全てをグラウンドに置いてこられたと思う」と満足そうに語った。「接戦に勝てたことでチームの団結力というか、一体感が高まる。この勢いで(次戦に)入りたい」。24日からの横浜ラウンドを見据えた。(星聡)

[宇津木妙子の目]度胸ある後藤 カギ握る

 継投といいサヨナラ打といい、宇津木監督の真骨頂だった。チームが一つになった感じがする。

 後藤は堂々としたピッチングだった。度胸がある。緊張する場面の方が、力を発揮しやすいタイプなのかもしれない。監督が上野の若い頃に似ていると言っていたけど、私もそう思う。

 球種が少ないので、同じ打者と何回も対戦すると組み立てに工夫がいる。ライズ、ドロップの精度は課題だろう。でも一回りなら十分抑えられる。将来が楽しみだし、近い世代の選手にも刺激になったはずだ。今大会のカギを握る選手だ。

 上野の調子は悪くない。でも暑さもあって、さすがに疲れていた。際どい球をカットされて、球数が多くなっているのは気になる。少し球種を絞って、打たせて取ってもいい。

 次の試合までは1日空くし、疲労は回復するだろう。イタリア、カナダも緩急を使える好投手がいて苦労するかもしれないが、1次リーグ最後の米国戦までは全勝で行きたい。(シドニー、アテネ両五輪日本代表監督)

米アボット 1安打完封

米国1―0カナダ

打球に飛びつく米国のモニカ・アボット
打球に飛びつく米国のモニカ・アボット

 米国の長身サウスポーが躍動した。アボットがカナダを1安打で完封し、今大会初白星をマークした。

 伸びのある直球を軸に五回まで無安打投球。六回無死一塁から右中間へ二塁打を浴びたが、中継に入った二塁手の好返球もあって一塁走者が本塁でタッチアウト。唯一のピンチを切り抜けると、最終回も抑えて最少得点を守り抜いた。

 2009年から社会人のトヨタ自動車に所属して数々のタイトルを獲得し、日本のファンにはおなじみの存在だ。自身2度目の五輪だが、「日本で長年プレーしているので今回の五輪は感慨深い。愛知県豊田市で生活して、たくさんの人たちに支えてもらってきた」と感謝する。普段からリーグ戦で日本の選手と対戦しており、「日本は金メダルの有力候補」と、警戒心を高める。連覇を狙う日本にとって手ごわい相手となりそうだ。(佐藤雄一)

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2228154 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/23 05:00:00 2021/07/23 16:03:00 7回無死1、2塁に登板し、後続を打ち取った後藤希友(22日、福島県営あづま球場で)=吉野拓也撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210722-OYT1I50161-T.jpg?type=thumbnail
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