ニュース

コロナ下 やっと開幕…自宅で「応援団長」/すし店 時短「寂しい」

  
[読者会員限定]
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 1964年10月以来、約57年ぶりとなる東京五輪がきょう23日、開幕する。新型コロナウイルスの世界的な大流行の中で行われる異例の大会。感染拡大の勢いが増す開催都市・東京では、期待と懸念が入り交じる中で、スポーツの祭典が始まる。

ついに「1日」

 最高気温34度を記録した22日の東京都心。JR東京駅前に設置された「カウントダウンクロック」の周りでは、多くの人がマスク姿で記念撮影していた。

東京駅前のカウントダウンクロックの前で記念撮影する人たち(22日、東京都千代田区で)
東京駅前のカウントダウンクロックの前で記念撮影する人たち(22日、東京都千代田区で)

 開幕までの時を刻むクロックは、1年の延長を経て、ついにあと「1日」と表示。夫と共に写真を撮った東京都板橋区の主婦の女性(52)は「コロナ禍で『五輪をやっていいのかな』という複雑な気持ちがあったが、いざ開幕が近づいてくると、楽しみな気持ちが強くなっている」と話した。

自宅のテレビの前で応援するという山田蔵之輔さん(東京都江東区内の自宅で)=本人提供
自宅のテレビの前で応援するという山田蔵之輔さん(東京都江東区内の自宅で)=本人提供

 金色のシルクハットに羽織はかまのど派手な衣装で応援し、広く親しまれた「オリンピックおじさん」こと山田 直稔なおとし さん(2019年に92歳で死去)。その孫で、2代目の「応援団長」を引き継いだ蔵之輔さん(14)は「1年延期され、やっと開催されるという思い」と感慨深そうに話す。

 都内の有明アリーナで行われるバレーボール女子のチケットが当たり、祖父の形見である日の丸の入ったジャージーを着て応援にいくつもりだったが、無観客に。それでも蔵之輔さんは「自宅のテレビの前で、祖父と同じ格好をして、応援団長として精いっぱい応援したい。選手の笑顔がたくさん見られる大会であってほしい」と期待した。

託す思い

 夢の舞台に立てなかった元選手たちは、思いを仲間に託す。

 競泳選手だった清水咲子さん(29)もその一人。16年リオデジャネイロ五輪に400メートル個人メドレーで出場。当時の日本新記録を出し、決勝に進出した。東京五輪での活躍を目指したが、今年4月の日本選手権で2位に0秒21差の3位となり、代表を逃して引退した。

 「コロナ禍によって思い描いた五輪と違うかもしれないけど、選手のやることは何も変わらない」と清水さん。「競技ができることや、これまで支えてもらった人たちへの感謝をプレーで表現してほしい」とエールを送る。

保健所は緊張

 緊急事態宣言下にある東京では、飲食店に対し、酒類の提供自粛が求められている。ここ1週間、1日当たりの感染者は連日のように1000人を超え、五輪ムードは高まりきっていない。

1964年大会のチケットを手に、当時の思い出や今回の開幕について語る「千寿司」店主の桑原幹男さん(22日午前、東京都渋谷区で)
1964年大会のチケットを手に、当時の思い出や今回の開幕について語る「千寿司」店主の桑原幹男さん(22日午前、東京都渋谷区で)

 開会式が行われる国立競技場から1キロほどの所にある創業64年の老舗すし店「千寿司」(東京都渋谷区)。2代目店主の桑原幹男さん(81)は人生2回目となる東京五輪の開催を歓迎しつつも、「五輪期間中は忙しくなるぞと期待していたのに……」と複雑な胸の内を明かす。

 前回の64年大会当時は、近くを駆け抜けたマラソンのランナーに声援を送り、サッカーの日本戦も観戦した。「目の前のプレーに胸が熱くなった」と桑原さん。競技場からは、大歓声が漏れ聞こえてきた。

 今大会も盛り上がりを期待したが、コロナの影響で時短営業を余儀なくされ、客足回復の望みは薄い。桑原さんは「五輪ならではの活気を味わえないのが寂しいが、選手にとっては力を発揮する大切な機会。テレビで応援したい」と話す。

 東京都墨田区保健所では22日も、いつもと変わらず朝から電話が鳴り続けた。発熱した区民からの相談で、その数は、連日約100人。今春と比べて倍以上に増えたといい、西塚至所長(51)は「変異ウイルスの感染力が強く、若年層に拡大している」と警戒を強める。

 区内では7月に入り、バーベキューでの感染や、運動施設などでのクラスター(感染集団)の発生が相次いだ。若者は高齢者に比べて行動範囲が広く、濃厚接触者や感染源を突き止めるために調査する対象者も、高齢者に比べて4~5倍多くなる。

 このため、同保健所は7月、コロナの対応職員を倍増し、約100人体制で対応に当たっている。西塚所長は「気を緩めずに、これまで通りのマスク着用やアルコール消毒といった感染予防を徹底してほしい」と話している。

無断転載・複製を禁じます
2228108 1 東京オリンピック2020速報 2021/07/23 05:00:00 2021/07/23 05:00:00 1964年の東京五輪のチケットを手に持つ「千寿司」店主の桑原幹男さん(22日午前11時31分、東京都渋谷区で)=木田諒一朗撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210723-OYT1I50017-T.jpg?type=thumbnail
続きを読む

「新型コロナ」のニュース

オリンピック 新着ニュース