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久保「決めるのは自分と言い聞かせていた」…左足で鮮烈な決勝弾

 
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 東京五輪は22日、サッカー男子の1次リーグが始まり、日本はMF久保のゴールで1―0で南アフリカを破った。ソフトボールの1次リーグでは、日本がメキシコに延長八回、タイブレイクの末に3―2でサヨナラ勝ちし、2連勝とした。23日はアーチェリーとボートの競技も始まり、夜に国立競技場で開会式が行われる。

71分、久保建英が決勝ゴールを決める=飯島啓太撮影
71分、久保建英が決勝ゴールを決める=飯島啓太撮影

 1次リーグA組初戦で南アフリカと対戦した日本は押し気味に試合を進めながら無得点で折り返したが、後半に久保が狙い澄ましたシュートでゴールを奪った。同じA組のメキシコはフランスに4―1で大勝。B組の韓国はニュージーランドに0―1で敗れ、C組のアルゼンチンは豪州に0―2で敗れた。日本は次戦、25日にメキシコと埼玉スタジアムで対戦する。

 【交代】(日)相馬(名古屋)=60分三好、上田(鹿島)=72分林、旗手(川崎)=72分中山、町田(鹿島)=85分堂安(南)コディサング=79分フロスラー、ヌグコボ=91分+モセレ
 【交代】(日)相馬(名古屋)=60分三好、上田(鹿島)=72分林、旗手(川崎)=72分中山、町田(鹿島)=85分堂安(南)コディサング=79分フロスラー、ヌグコボ=91分+モセレ

  日本・森保監督 「できればもっと多くゴールを奪って楽な試合にしたかったが、選手たちは初戦の難しさを感じながら粘り強く戦ってくれた。簡単な試合にはならないことを改めて感じた。反省を生かし、次の試合に進んでいきたい」

  日本・吉田 「(日本は)本来もっとできるチーム。もっと自信を持ってやるべきだ。サポーターがいてくれたら良かったが、カメラの向こうで1億人のファンが応援してくれていると信じている」

「俺が決める」有言実行

 日本を白星発進に導いたのは久保だった。「苦しい時間でも、『決めるのは自分』と言い聞かせていた。待っていても誰かが決めてくれるわけではない」。世界中の猛者が集うスペイン1部リーグでしのぎを削る20歳が、まばゆく輝いた。

 DF5人を並べる南アフリカを相手にもどかしい時間が続いても、集中力を保ち続けた。71分、田中の左サイドからの大きな浮き球パスをゴール右で受けた。「トラップが思い通りにいった。前半にニア(近め)で1本外したんでファー(遠め)を狙おう」。鋭く中へ切り込むと、振り抜いたのはもちろん、得意の左足。GKの伸ばした手をかすめ、左隅へ吸い込まれたボールを見届け、ほえた。

 早熟の天才のイメージが強いが、相次ぐ挫折を乗り越え、勝負の世界の厳しさを味わってきた。10歳でスペインに渡り、名門バルセロナの下部組織で腕を磨くも、若手の国際移籍などで規定違反があったとしてクラブが処分を受け、不本意な形で帰国。J1F東京の育成組織に入った当初は「つらい時期もあった」。16歳でJ1デビューを飾ったF東京、期限付き移籍した横浜Mでも思うように出番はなく、もがいた。

 「欧州に戻りたい。18歳の年で(海外に)出られなかったら諦めよう」と決めていた。横浜MからF東京へ復帰後、長谷川監督が「戻ってきた時は覚悟が違った」と振り返るように、死にものぐるいでチャンスをつかんだ。再上陸を果たしたスペインでも、たくましさを増している。

 F東京時代の本拠地として慣れ親しんだ東京スタジアムで、決勝ゴール。「チームに勝ちをたぐり寄せることができて良かった」。五輪史上最強との呼び声もある今大会の日本で、主役候補が価値を証明した。(平地一紀)

遠藤 リオの教訓生かす

前半、パスを出す遠藤航
前半、パスを出す遠藤航

 オーバーエージ枠の遠藤が、仲間たちと勝利の喜びを分かち合った。「思った以上にみんな落ち着いていた。1点取って勝ったのは良かった」。初戦をものにし、 安堵あんど の表情で語った。

 主将を務めた2016年リオデジャネイロ五輪には苦い記憶がある。初戦の相手だったナイジェリアが、航空券手配の不手際で試合開始約6時間半前にようやく現地入りするハプニングがあった。ある選手が「どこかに油断があったのかもしれない」と振り返る一戦で、大量5失点。初戦を落とした日本は、流れをつかめずに敗退した。

 今大会も、南アフリカ選手らの新型コロナウイルス感染で、試合開催が危ぶまれた。「まさか同じような状況になるとは思わなかった」としながらも、「今回はコロナ禍である程度、アクシデントが起こる中で準備してきた」と、5年前の教訓を生かした。リオの雪辱を果たすための戦いが始まった。(帯津智昭)

コロナ禍南ア「最大限努力」

 新型コロナウイルスのチーム内感染に揺れ続けた南アフリカ。ノトアネ監督は、「数人の選手を失い、満足に練習できないまま部屋に隔離され、精神的にも難しかった。やっと今日、フレッシュな環境に立てた」と苦しかった胸の内を語った。敗れたが、粘り強い守備で善戦し、主将のマレペは「十分な準備の時間がなく、自分たちで制御できない状態が続いたが、最大限努力した」と胸を張った。

  南アフリカ・ノトアネ監督 「今日の我々のプレーは、目指していたものではなかった。何人かの選手の体調は、自分が期待したものではなかった」

[井原正巳の目]冨安欠場 動揺なし

 内容では圧倒しつつ、ゴールを奪うまでには時間がかかった。攻撃のコンビネーションや決定力に課題や反省もあるが、初戦で勝ち点3を取れたことが収穫。いいスタートを切れた。

 センターバックの冨安がベンチから外れた。守備陣の軸となる存在を欠いても、本番に向けて実戦で経験を積んできた選手が多く、チームに動揺はなかったはずだ。主将の吉田と中央でコンビを組んだ板倉はボランチもセンターバックもできる、能力の高い選手。全く問題なかった。2人は攻撃の1歩目となるパスの質が高く、コンビとして十分やっていけるという感覚があると思う。

 試合を支配している状況でも、DF陣はカウンター攻撃を食らわないようにポジショニングを取れていた。終盤に危ないシーンが何度かあったが、どんな試合でもピンチはあるもの。暑さもある中、集中力を切らさずに守った。前線の選手を含め、攻守の切り替えは90分間、しっかりと保たれていた。

 警告を受けた選手がおり、けが人が出る可能性も含め、まさに総力戦だ。22人全員で乗り切っていかなければいけない。(J1柏ヘッドコーチ、元日本代表主将)

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2228101 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/23 05:00:00 2021/07/23 11:47:09 日本-南アフリカ 後半、先制ゴールを決める久保建英(右)(22日、東京スタジアムで)=飯島啓太撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210723-OYT1I50021-T.jpg?type=thumbnail
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