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原因不明の不調、診断は「極度の貧血」…引退も考えていた大橋悠依

 
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 競泳女子400メートル個人メドレーの金メダリストになった大橋悠依選手(25)(イトマン東進)はプールから上がり、言った。「すごく楽しい。それが、自分が水泳をやるすべてかな」。大学時代、極度の体調不良で引退を考えたが、家族らに支えられて復調し、東京五輪の大舞台で輝いた。

女子400メートル個人メドレーを制し、金メダルを手に笑顔を見せる大橋悠依(25日、東京アクアティクスセンターで)=原田拓未撮影
女子400メートル個人メドレーを制し、金メダルを手に笑顔を見せる大橋悠依(25日、東京アクアティクスセンターで)=原田拓未撮影

 表彰台の頂上で、正面に上がる「日の丸」を真っすぐに見つめた。「ここに来るまで色々なことがあったけど、やってきたことは間違ってなかった」。そんな思いがこみ上げ、何度も両手で目元をぬぐった。

 東洋大1年の時、原因不明の不調に陥った。2年になった2015年4月の日本選手権で、会場に車で娘を送った父、忍さん(62)は驚いた。顔に血の気がなく、結果も200メートル個人メドレーで40人中最下位だった。

 その後も体は思うように動かず、記録が伸びない。練習に身が入っていないと誤解され、仲間から帰るように言われたこともあった。

 「もう無理です。水泳をやめます」。はっきりと伝えた。相手は、北島康介さん(38)らを育てた平井 伯昌のりまさ 監督(58)。無名だった高校時代に声をかけてくれた恩師に慰留され、かろうじて引退は踏みとどまった。

 その年の秋、血液内科で「極度の貧血」と診断された。滋賀県に住む母、加奈枝さん(56)は鉄分豊富なヒジキやアサリを煮るなど、バランス良く、娘の好きな食事を東京へ冷凍便で送った。時には、娘の部屋で料理をして帰ることもあった。

 治療を受け、体調が戻ると、練習量が一気に増えた。「全力を発揮して戦える」。喜びを力に記録を伸ばした。

 「水泳に詳しくない両親ですが、いつも見守っていてくれた。家族みんなで取った金メダルだなって思います」。25日のレース後、感謝の思いがあふれた。

 娘の泳ぎをテレビで見守った父は「色々あったが、まさか金を取ってくれるとは……。感動で涙が止まりません」と喜んだ。(森田啓文)

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2233745 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/25 21:45:00 2021/07/26 06:51:22 競泳女子400メートル個人メドレーで優勝し金メダルを手に笑顔を見せる大橋悠依(25日、東京アクアティクスセンターで)=原田拓未撮影※阿部きょうだい金の場合 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210725-OYT1I50122-T.jpg?type=thumbnail
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