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東京五輪の新競技・スケートボード男子ストリートで25日、競技会場のある東京都江東区出身の堀米雄斗選手(22)(XFLAG)が金メダルを獲得した。地元の公園で技を磨き、渡米してプロになった「下町スケーター」が、故郷に錦を飾った。(森田啓文)

「世界で一番うまいスケーターになる。もっと練習するため、本場のアメリカに行く」。小学6年の時、作文に書いた夢だ。この頃から、「スケートパーク付きの豪邸を建てたい」と周囲に語っていた。
スケートボードをしていたタクシー運転手の父、亮太さん(46)に連れられ、物心つく前から公園でスケボーに乗っていた。小学生の時から海外の大会に参戦。亮太さんは休みなく働き、運転手仲間から洗車を請け負って遠征費を稼いだ。
2016年、17歳で米国に拠点を移すと、プロリーグで優勝を重ねた。その演技は「エフォートレス(力みがない)」と評され、高難度の技を軽々とやってのける姿が人気を呼んでいる。昨秋にはロサンゼルスに練習場付き4LDKの家を購入し、「アメリカン・ドリーム」を実現した。
地元で受けた父の指導を大切にしている。海外選手の映像を見て研究するのは良いが、まねをしている限り勝てない。「世界で成功するには、独創性が欠かせない」(亮太さん)
日本に
「江東区で生まれたので、ここで金メダルを取れてうれしい」。試合後、地元への思いをそう語り、「アメリカでもっと大きい家を買うこと」と今後の目標を明かした。亮太さんは「自分の子とは思えない」と謙遜しつつ、「支えてくれた皆さんに感謝しています」と話した。