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【午後8時35分】渋谷のスポーツバー閉店後に客からの電話相次ぐ、申し訳なさそうに店長「8時までなんです」…TOKYO26日

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 東京五輪は26日、開幕してから初めての平日を迎えた。今大会は開幕早々、メダルラッシュが続く。コロナと五輪と日常と。開催都市・東京の1日を追う。

 

  午前5時45分  新橋駅を出発し、お台場方面に向かう「ゆりかもめ」は、五輪の応援Tシャツを着た人や大会ボランティア、スーツ姿のサラリーマンが入り乱れて満員。新聞を広げ、日本人選手の金メダル獲得を報じる記事を食い入るように読む人の姿も。

「沿道での観戦自粛」を呼びかける大会スタッフ
「沿道での観戦自粛」を呼びかける大会スタッフ

  午前6時10分  男子トライアスロンが開催されるお台場海浜公園付近には、レースを一目見ようと続々と人が集まり始める。大会スタッフは「沿道での観戦自粛」と記したボードを手に観戦しないよう求めるも、12歳の娘と訪れた男性(43)は「散歩のついでに訪れた。子供と2人で五輪を観戦できる機会はもう二度とないと思うので」

  午前6時25分  トライアスロンのチケットが当たっていたという都内の会社員男性(52)はお台場に足を運び、「本当は会場で見たかった。朝早くの開催だが、このくらいの気温なら、選手も良いパフォーマンスを発揮できるだろう」と笑顔。

 一方、お台場の対岸にある芝浦ふ頭の倉庫。荷物の積み込み作業中の男性(46)は「対岸で競技が始まるのは知らなかった。これから車で運ぶので、4連休明けて今日からどの程度、都心で渋滞が起きるか心配」

自転車で疾走する選手をスマホで撮影する人たち
自転車で疾走する選手をスマホで撮影する人たち

  午前6時50分  トライアスロンの自転車をこぐ選手たちが公道のコースに飛び出してくると、沿道に集まった人々が一斉に写真撮影を始めた。東京都新宿区の40歳代女性は「あまりの速さにシャッターが間に合わなかった。テレビ画面ではなく、生で見られた感動は大きい」と興奮気味に話した。

ガンダムの足元を走る選手たち
ガンダムの足元を走る選手たち

  午前7時10分  お台場の商業施設前に設置されているガンダム像。その足元を選手たちが疾走する。デジタルカメラを構えていた川崎市の40歳代女性は「子供の頃からガンダムが好きで、トライアスロンの選手が目の前を駆け抜けると聞き、カッコいい一枚を撮りに来た。でも自転車のスピードが速くて、なかなか上手に撮れない」と悔しそう。

  午前8時7分  JR新橋駅前でバスを待っていたスーツ姿の50歳代会社員男性。「いつもと同じ通勤風景」と言いつつも、「職場は選手村近くにあって、出入りしているのをよく見かける。クラスター(感染集団)が起きないか心配だけど、選手たちは頑張っているので何事もなく終わってほしい」

  午前9時10分  JR新橋駅前。この日、職場で2回目の新型コロナワクチン接種を予定している埼玉県戸田市の会社員(53)は「ソフトボールのメダルが楽しみ。無観客でも、選手が集中していることは表情などからテレビ越しに伝わってくる」

  午前9時30分  お台場や豊洲市場に近い環状2号線が交通規制され、周囲の道路は交通渋滞が発生。水産加工品を載せ、東京・晴海通りを行き来しているトラック運転手(50)は、「いつもの倍の時間がかかる」と疲れた様子だが、それでも「日本人選手のメダルラッシュで耐えられる」

  午前10時30分  アーチェリー会場がある夢の島公園(江東区)。周辺は封鎖されて閑散としており、同区の無職本宮雅樹さん(68)は「人がおらず高揚感はない」と残念そう。公園の階段にペイントされた「TOKYO2020」の文字に、カメラを向けた。この日は自転車で都内の無観客会場の周辺を巡る予定だ。「コロナ下の五輪がどのように開催されているのか。現場に行って、思い出を残したい」

  午前10時50分  代々木公園。五輪競技を中継する「ライブサイト」が実施される予定だったが中止となり、ワクチンの大規模接種会場に。この日に2回目の接種を受けた神奈川県茅ヶ崎市の男子大学生(19)は「もう少し早く若い人たちにもワクチン接種が広がっていれば、競技会場にも足を運べたのに」と悔やんだ。

東京・巣鴨でタバコ屋を営む女性
東京・巣鴨でタバコ屋を営む女性

  午前11時20分  豊島区の巣鴨地蔵通り商店街。タバコ屋を営む女性(81)にとっては、1964年10月に続く2回目の東京五輪だが、前回の大会中は忙しく働いていて、競技を見た記憶がないという。店の奥にあるテレビでソフトボールを観戦し、「前回の東京五輪の時は白黒テレビだった。今はカラーテレビの性能も上がっていて、便利な時代になりました」と満足げ。

  午後0時10分  千代田区の大型書店「丸善丸の内本店」。店内に設けられた五輪グッズの販売コーナーは買い物客で行列ができていた。東京都狛江市の金津努さん(67)は、日本人選手の活躍に刺激され、記念のピンバッジを購入。「今大会は盛り上がらないと思ったが、金メダルが続き、記念品が欲しくなった」と話した。

  午後0時20分  近くに官公庁が集まる日比谷公園では、スーツ姿の人たちがベンチでお弁当を食べる姿が見られた。清掃関係の仕事をしている会社員相馬章人さん(36)は連休中、テレビで五輪を観戦し応援したといい、「コロナ禍でビルなどの消毒を頼まれることが多く、今日からまた忙しい1週間です」と話した。

「オリンピック観戦パック」を販売する藤川さん
「オリンピック観戦パック」を販売する藤川さん

  午後1時  中野区の居酒屋「大衆酒場フジヤ」。経営者の藤川剣さん(42)は、鶏の唐揚げなどを詰めたテイクアウト用の「オリンピック観戦パック」の仕込みに追われていた。東京都の要請に応じ酒類の提供を自粛し、経営は苦しいが、日本人選手の活躍に「懸命な姿に感動する」と励まされている。

手書きの看板でメダリストを祝福している衣料品会社(東京・巣鴨で)
手書きの看板でメダリストを祝福している衣料品会社(東京・巣鴨で)

  午後2時10分  豊島区の巣鴨地蔵通り商店街にある衣料品店「巣鴨マルジ」の店頭には、メダルを獲得した日本人選手を祝福する手書きの看板が設置されていた。毛筆でしたためた同店の工藤 秀治ひでじ 常務(67)は1964年東京五輪の頃、テレビにかじりついていた「五輪少年」。92年のバルセロナ五輪以降は毎回手書きの祝福看板を店頭に掲げている。

 日本人選手がメダルを獲得するたびに商品を値下げするセールを開催。「コロナ禍で高齢者が店に来なくなり、大きな打撃となった。明るい話題で盛り上げていきたい」

  午後2時15分  杉並区にある家電販売店「清和電機方南店」の小沢伸介社長(49)は「五輪観戦の需要を期待したが、テレビの買い替えに来る人は少ない」と語った。

 昨年に亡くなった先代の父からは、1964年の東京五輪では「カラーテレビがよく売れた」と聞かされていた。しかし、買い物客はテレビには目もくれず、扇風機を品定め。小沢さんは「メダルラッシュに沸いているが、もう少し前から五輪ムードが盛り上がっていれば……」と話した。

  午後3時45分  文京区の会社員小野晴康さん(67)は、東京駅から東海道新幹線を利用して、仕事で名古屋に向かった。東海道新幹線が開業したのは、1964年10月1日。前回の東京五輪開幕の9日前だった。当時小学5年生だったという小野さんは、「名古屋や大阪に日帰りで出張で行けるようになり、ずいぶん便利になった。前回五輪ほどの熱気は感じないが、コロナ禍ではやむを得ない」と淡々と話した。

聖火台を撮影する見物人ら
聖火台を撮影する見物人ら

  午後5時  聖火台が設置されている臨海部の「夢の大橋」(江東区)。大会組織委員会は観覧自粛を求めているが、スマートフォンなどで撮影する見物客がひっきりなしに訪れ、スタッフが「間隔を空けてください」と密を避けるよう呼びかける場面も。

日本武道館に向かって拳を突き上げる夫婦
日本武道館に向かって拳を突き上げる夫婦

  午後6時45分  柔道が行われている日本武道館前。日が暮れ始める中、「大の柔道ファン」という足立区の夫婦が、会場に向かって拳を突き上げ、静かにエールを送った。ちょうどその頃、武道館の中では女子57キロ級の芳田司選手(25)が3位決定戦を制し銅メダルを獲得。会社員の妻(51)は「日本人選手の活躍に毎日勇気をもらっている。多くの選手がメダルを獲得してほしい」と期待を寄せた。

岸本選手を応援するポスターを持つ藤塚さん
岸本選手を応援するポスターを持つ藤塚さん

  午後7時過ぎ  もんじゃ焼き屋などが居並ぶ東京・月島にある「立ち呑み 大島や」がのれんを下ろした。店内には、27日に出場予定のトライアスロンの岸本新菜選手のポスターが貼られている。岸本選手の父親と知人という商店街関係者の発案。店主の藤塚重正さん(46)は「通常営業ができずに経営は苦しいがテイクアウトでなんとか頑張っている。岸本選手にも、悔いのないよう本番に挑んでほしい」と話した。

  午後8時35分  渋谷のスポーツバー「Fields」には、都の要請で午後8時に閉店した後も、客からの電話が相次いでいた。店長の田中守さん(66)は「すみません、8時までなんです」と申し訳なさそうに断っていた。こうした電話は、多い日で1日30件ほどかかってくる。

客から問い合わせの電話を受ける田中さん
客から問い合わせの電話を受ける田中さん

 東京五輪の開催に備え、昨年、スポーツ観戦用の大型モニターを新たに導入。日本人選手のメダルラッシュで、営業すればもうかるのは分かっているが、「店から感染者を出すわけにいかない」と我慢の日々を送る。選手の活躍を受け、「コロナが収束したら、自分もまた商売をがんばりたい」と前を向いた。

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2234445 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/26 09:35:00 2021/07/26 22:17:59 柔道の会場となっている武道館にかけつけた夫婦 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210726-OYT1I50170-T.jpg?type=thumbnail
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