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「防衛的悲観主義」掲げる大野将平、自分自身を疑い続ける…五輪は1年5か月ぶりの実戦だった

  
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柔道男子73キロ級決勝、ジョージアのラシャ・シャフダトゥアシビリ(左)を破り、金メダルを獲得した大野将平(26日、日本武道館で)=里見研撮影
柔道男子73キロ級決勝、ジョージアのラシャ・シャフダトゥアシビリ(左)を破り、金メダルを獲得した大野将平(26日、日本武道館で)=里見研撮影

 男女各1階級が行われ、男子73キロ級の大野将平(旭化成)が大会2連覇を果たした。順調に勝ち進んだ決勝で延長の末、ラシャ・シャフダトゥアシビリ(ジョージア)から技ありを奪って優勢勝ちを収めた。日本勢の柔道五輪連覇は、史上7人目。女子57キロ級の 芳田よしだ 司(コマツ)は準決勝で、優勝したノラ・ジャコバ(コソボ)に敗れたが、3位決定戦でエテリ・リパルテリアニ(ジョージア)に合わせ技で一本勝ちし、銅メダルをつかんだ。

 日本柔道を体現した大野が日本男子4人目の五輪連覇を果たした。畳に深々と礼をした後、日本武道館の八角形の天井を見上げた。「この景色を目に焼き付けておこうと思った。やっと胸を張って、時代を作った、歴史を作ったと言える」。偉業達成の余韻に浸った。

 シャフダトゥアシビリとの決勝は、試合時間が9分を超える持久戦。2試合続いての延長にもつれ込み、「今まで感じたことのない恐怖の中で戦っていた」。しかし、最後は左右の腕でがっちりと相手をつかみ、支え釣り込み足で技あり。「自分でも覚えていない。最後に助けてくれるのは内股か大外刈りかと思っていたが、そうじゃなかった」。本能に任せ、体が動いた。

 調子が上がらず、今年3月の国際大会を回避した。乱取りを見た母校・天理大の穴井隆将監督が、30秒で中止を決めた。「(試合より)今は稽古が大事だと思った」と大野。五輪は約1年5か月ぶりの実戦となったが、「防衛的悲観主義」を掲げ、自分自身を疑いながら稽古を続けた。「私がこれまで見てきた柔道家の中でも最強」と、日本男子の井上康生監督は賛辞を惜しまない。

 試合開始の1時間半前、畳の上に一番乗りし、大の字になって天井を見上げた。さらに畳に落ちていたちりを拾った。礼儀正しく細やかな目配りもできる王者だ。そういえば、「投げられるときは天井を向く。朝、『きょうはこの景色を見ることはない』と誓って、僕はいつも試合に行く」と語ったことがあった。「リオのときは若さと勢いで勝った金メダルだったが、今回は我慢と自分の柔道スタイルで勝ち取れた」。誓いの通り、大野は負けなかった。(松田陽介)

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2237013 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/27 05:00:00 2021/07/27 08:48:36 柔道男子73キロ級決勝 ジョージアのラシャ・シャフダトゥアシビリ(左)を破り金メダルを獲得した大野将平(26日午後7時34分、日本武道館で)=里見研撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210727-OYT1I50030-T.jpg?type=thumbnail
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