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上野由岐子の球、初めて受けた時の衝撃…「マンガみたいで大爆笑」後ろにコロコロ転がる

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 東京五輪・ソフトボールで日本は27日夜、北京五輪以来13年ぶりの金メダルを懸けて米国と対戦する。チームを引っ張るのは、エースの上野由岐子投手(39)(ビックカメラ高崎)。元日本代表捕手の乾絵美さん(37)は「13年分の思いをぶつけ、最高の笑顔をみせてほしい」とエールを送る。(竹田章紘)

 「じゃあ、投げるねー」

乾絵美さん(オリックス球団提供)
乾絵美さん(オリックス球団提供)

 乾さんが上野投手の球を初めて受けたのは2003年3月。日立&ルネサス高崎(現ビックカメラ高崎)に入団した直後のことだ。1学年上の上野投手はすでにエース。防具の着用を周囲に勧められたが、「大丈夫」と断った。自信を持って構えたミットに剛速球はかすりもせず、後ろにコロコロと転がった。

 「マンガみたいなシーンにみんな大爆笑。私は、想像を超える球にただただ衝撃を受けていました」

 打撃マシンで上野投手の速球以上の速さに設定し、捕球練習を繰り返した。それでも、実際に投げてもらうと「ボールが勝手に動くんです」。生きた球はなかなか捕れず、太ももや腕に青あざをつくった。

 さらに本当のすごさを知ったのは、1か月後の日本リーグ開幕戦。先発の上野投手は相手打線を無失点で抑え、1―0で迎えた最終回。手元で浮き上がる「ライズボール」が、今までとまったく違う伸び方をし、捕れなくなった。

 「上野は試合でしか入らないスイッチがある」。先輩から聞かされた言葉が頭をよぎった。まさかの連続パスボールでランナーが進み、同点に追いつかれた。その裏に味方が点を取ってサヨナラ勝ちしたが、エースの計り知れない力に触れた瞬間だった。

北京五輪で「金」を決めて喜ぶソフトボール日本代表。乾さんが上野投手を肩車している(2008年8月21日、北京で)
北京五輪で「金」を決めて喜ぶソフトボール日本代表。乾さんが上野投手を肩車している(2008年8月21日、北京で)

 04年アテネ五輪や08年の北京五輪でもバッテリーを組み、気づかされたのは、上野投手が実は「努力の天才」でもあることだ。

 キャンプでは納得がいくまで1日300~400球を投げ込んだ。率先して球拾いを行い、練習後は走り込み。夜も他の選手より遅くまで残って室内トレーニングを続けた。「努力した自負があるから、『天才』と呼ばれるのを嫌がった」。乾さんは「一生追いつけない背中だ」と感じた。

 

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2238094 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/27 13:40:00 2021/07/28 09:14:43 北京五輪・ソフトボール 上野由岐子を肩車して喜ぶ、金メダルの日本チーム。2008年8月21日、北京・豊台ソフトボール場で。2009年2月4日朝刊[日本の100年]なでしこたち(1)壁に挑んだ女性アスリート(連載)掲載。報知新聞撮影。★紙面に限り再使用可(クレジット不要) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210727-OYT1I50138-T.jpg?type=thumbnail
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