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被災地のファンの拍手、涙ぐむ岩渕「ここで終わるわけにはいかなかった」

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 東京五輪は27日、サッカー女子の1次リーグ第3戦があり、E組の日本(なでしこジャパン)は宮城スタジアムでチリと対戦、1―0(前半0―0)で競り勝った。勝ち点4で1次リーグを終えたなでしこは、E組3位ながら他組の3位を成績で上回り、30日夜の準々決勝(スウェーデン戦・埼玉スタジアム)へ駒を進めた。

サッカー女子、チリ対日本、前半、ドリブルで攻め込む岩渕真奈(27日、カシマスタジアムで)=武藤要撮影
サッカー女子、チリ対日本、前半、ドリブルで攻め込む岩渕真奈(27日、カシマスタジアムで)=武藤要撮影

途中出場・田中、千金の決勝ゴール

 被災地・宮城のスタンドで、ファンが試合を見ていた。もちろん満員には遠くても、今大会で数少ない「有観客試合」。開幕から2試合で勝利がなかったなでしこたちは、ピッチに降り注ぐ温かい拍手に背中を押され、必死で攻撃を仕掛けた。

 だが、重圧があったのだろう。前半は、相手陣へボールを運んでも、肝心のゴール前で選手たちの動きが鈍り、シュートも当たり損ねばかり。1メートル82の長身GKを中心とするチリの守備網に、余裕をもってしのがれた。

 後半開始から投入された田中美南(INAC神戸)が、流れを変えた。出場早々に3本続けてシュートを放ち、攻撃を活性化させる。

 77分、待望の瞬間が訪れた。ゴール前で縦パスを受けたエースの岩渕真奈(アーセナル)がポストとなり、相手守備を引きつけて空いたスペースにボールを転がす。走り込んだ田中が、前に出てきたGKの動きを見極め、右足でネットを揺らした。

 2011年夏、なでしこジャパンは女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で優勝した。約4か月前の東日本大震災に沈みきった日本国民を明るいニュースで勇気づけたとして、当時のチームは国民栄誉賞も受けた。「復興五輪」と位置づけられる今大会の聖火リレーで、国内の第一走者も任された。

日本の勝利を喜ぶ観客席(7月27日、宮城スタジアムで)
日本の勝利を喜ぶ観客席(7月27日、宮城スタジアムで)

 現在のなでしこたちにとっても、被災地での試合には特別な意味がある。ましてや、東京五輪での一戦。W杯優勝メンバーの一人でもある岩渕は、試合後のインタビューで涙ぐんだ。「感じたことのないプレッシャーがあったけど、ここ(1次リーグ)で終わるわけにはいかなかった。いろんな人が応援してくれて、自分の両親も見に来てくれた。それがパワーになって勝てた」

 1点リードで逃げ切り、準々決勝への切符をつかんだ。この先は、さらに厳しい戦いが待っている。ファンに支えられたこの日の勝利を、なでしこらしいサッカーを取り戻すきっかけにしたい。(読売新聞オンライン)

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2239788 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/27 22:48:00 2021/07/27 23:36:03 東京五輪・女子サッカー・1次リーグ・チリ対日本、前半、ドリブルで攻め込む岩渕真奈(27日午後8時20分、カシマスタジアムで)=武藤要撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210727-OYT1I50239-T.jpg?type=thumbnail
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