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上野、恩師にささげた金…「監督がプレッシャーに押し潰されてしまうと思った」

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 決勝で日本が米国に2―0で勝利し、北京五輪以来13年ぶりの金メダルを獲得した。日本は四回、渥美(トヨタ自動車)の内野安打で先制し、五回には藤田(ビックカメラ高崎)の右前打で加点した。日本は4大会連続のメダル獲得(ロンドン、リオデジャネイロ大会は実施せず)。3位決定戦はカナダがメキシコを破り、銅メダルを獲得した。

熟練の投球 宿敵封じる

 上野(ビックカメラ高崎)にとって表彰台からの景色は、13年前の夏とはずいぶん違って見えただろう。前回は自身の夢をかなえた、今回は自身の集大成を恩師にささげた金メダルだ。

 13年間のありったけの思いをぶつけた。初回、一死三塁のピンチを切り抜けると、その後はほぼ完璧な投球。多彩な変化球を駆使し、剛速球でならした以前とは違う熟練の投球術で、米国打線を封じた。六回、この日2本目の安打を打たれたところで、後藤(トヨタ自動車)にスイッチ。最終七回、再びマウンドに上がり、三者凡退で締めくくった。

米国打線を相手に好投した上野由岐子=里見研撮影
米国打線を相手に好投した上野由岐子=里見研撮影

 「上野の413球」と呼ばれる熱投で優勝した北京を最後に五輪から除外され、進む道を見失った。そんな時、所属チームの監督だった宇津木監督に「恩返しの気持ちでやってみたら」と声を掛けられた。北京五輪中も、日本からアドバイスと激励を送り続けてくれた恩師の一声。「辞めない理由を探していたんだと思う」。ささくれていた心に、すっと入った。

 上野の気持ちを東京五輪へと動かしたのも、宇津木監督だった。16年夏、五輪競技への復活が正式に決まっても「五輪に向かう苦しさをもう一度味わう覚悟がつかない」と後ろ向きだった。それでも、宇津木監督の代表監督就任が決まると、「力になりたい」と意味を見いだした。常に道しるべのような存在だった。

 この夏、エースはエースのまま、目指す場所にたどりついた。「麗華監督がプレッシャーに押し潰されてしまうのではないかと思った。本当に良かった」。おそらく自身最後となる五輪で、7日間で計389球を投じてつかみとった栄冠。勝つ喜び、ソフトボールの楽しさ、そして人と結ぶ絆の大切さ。全てを教えてくれた母親のような存在に、39歳になった孝行娘が金色に輝く最高のプレゼントを贈った。(星聡)

  宇津木監督 「今回も上野が必ずやってくれると思った。神様です。日本はどんどん強くなる。感謝の気持ちでいっぱい」

  後藤 希友みう 「初戦よりさらに緊張し、興奮しすぎた。一生に一度しかない東京で開催される五輪を経験できて最高の気分」

  ■渥美が美技 危機救う  日本の金メダルを支えたのが全6試合をノーエラーで乗り切った守備だった。この日のハイライトは六回。一死一、二塁のピンチでチデスターのライナーが三塁・山本(ビックカメラ高崎)を直撃し、後方へ飛んだ。これをカバーした遊撃手の渥美がノーバウンドで捕球、二塁に送って併殺として危機を救った。宇津木監督は「日本の守備は世界でナンバーワン。そこも忘れちゃいけない」とナインの守りをたたえた。

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2240074 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/28 05:00:00 2021/07/28 07:03:04 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210728-OYT1I50027-T.jpg?type=thumbnail
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