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永瀬、延長4度耐え抜いた…苦難乗り越え大器開花

   
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柔道男子81キロ級決勝、モンゴルのサエイド・モレイ(下)を破り金メダルを獲得した永瀬貴規=関口寛人撮影
柔道男子81キロ級決勝、モンゴルのサエイド・モレイ(下)を破り金メダルを獲得した永瀬貴規=関口寛人撮影

 男女各1階級が行われ、男子81キロ級で永瀬 貴規たかのり (旭化成)が金メダルに輝き、銅だった2016年リオデジャネイロ大会に続いてメダルを獲得した。決勝は18年世界王者のサエイド・モレイ(モンゴル)に延長で技ありを奪って優勢勝ちした。同級での日本勢の優勝は、00年シドニー大会の滝本誠以来。日本男子は4日連続の金メダルで、無差別を含む8階級で行われた1984年ロサンゼルス大会と並ぶ最多の金4個となった。女子63キロ級で2大会連続出場の田代 未来みく (コマツ)は2回戦敗退。

男子81キロ

 あまり感情を表に出さない永瀬が涙を浮かべた。サエイドとの決勝。延長で得意の足技を繰り出して勝負を制した。リオ五輪の銅メダルが脳裏によみがえる。「本当にやってきてよかった」。悲願の金メダルに、素直な気持ちを口にした。

 強豪ぞろいの81キロ級は、大会ごとに表彰台のメンバーが入れ替わる。だから「初戦から決勝のつもりで戦った」。5試合中4試合で延長に突入した激戦を粘り強さで勝ち抜いた。2度目の五輪に向けて温めてきた新技もあった。準決勝で技ありを奪った低い姿勢からの体落とし(記録は背負い投げ)だ。「今までは練習した技を大きな舞台で出せなかった」と胸を張った。

 人間としての幅も広がった。リオ五輪後、日本男子の金丸雄介コーチから「読書をしろ」と勧められた。「彼には『言葉』が足りない。言葉がなければ、課題を的確に分析できない」と金丸コーチ。2017年の世界選手権で右膝に大けがを負った永瀬は、リハビリ期間にむさぼるように本を読んだ。スポーツ選手の自伝や指導者の教本、小説、睡眠に関する学術書、何でも手に取った。東京五輪の代表に決まり、リオ五輪の敗因も整理した。「(前回は)ひたすら突っ走るだけだった。『これでいいだろう』と甘く考えていた」

 金メダリストとなり、勝因を「僕の長所は気持ちで折れずに最後まで攻め抜く姿勢。それが出せて良かった」と説明した。所属の先輩でもある大野将平はかつて「日本代表で戦ったら永瀬が一番強い」と評していた。大器が苦難を乗り越え、ついに開花した。(松田陽介)

  日本男子・井上康生監督 「永瀬ほど努力を重ねた男もいない。努力は人を裏切らないことを証明してくれる戦いだった」

田代 メダルまた届かず

 田代はリオデジャネイロ五輪に続き、メダルに届かなかった。「これが現実。ただただ弱かった」。日本女子が3日続けていたメダル獲得も止まり、涙があふれた。日本女子の増地克之監督によると、4月に左足首を痛め、乱取りの再開は7月上旬だったという。本来の動きには遠く、ポーランド選手との2回戦で警戒していた小内巻き込みを防げず、一本負けを喫した。

 世界選手権も2018年から2年連続で2位。5年前の忘れ物を取り戻そうと努力してきたが、頂点は遠かった。「今まで何をしていたんだという気持ちが強い」。それでも五輪2大会出場の実績は誇っていい。ともに歩んできた守安由充コーチは「胸を張れ」と声をかけた。

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2240174 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/28 05:00:00 2021/07/28 07:41:15 柔道男子81キロ級決勝、モンゴルのサエイド・モレイ(下)を破り金メダルを獲得した永瀬貴規(27日、日本武道館で)=関口寛人撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210728-OYT1I50048-T.jpg?type=thumbnail
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