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[HEROES]58歳 円熟のペンホルダー…卓球女子シングルス シャリャン・ニ(ルクセンブルク)

   
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58歳で東京五輪に出場したルクセンブルクのシャリャン・ニ
58歳で東京五輪に出場したルクセンブルクのシャリャン・ニ

 卓球の女子シングルスは、上は58歳から下は12歳まで幅広い年齢層の選手が出場している。最年長のシャリャン・ニは5度目の五輪出場。2回戦で敗退したが、「開催してもらい、ありがたい」と笑顔で語った。

 「38年前に東京で行われた世界選手権に出て、アスリートとして戻って来られてうれしい」。1983年に出身の中国の代表として来日し、団体と混合ダブルスで優勝した。その後ドイツへ渡り、ルクセンブルクにコーチを頼まれた。周囲の勧めで競技を続け、国籍変更を経て、2000年シドニー大会で念願の五輪出場を果たした。

 左利きで、今ではほとんど見られなくなったペンホルダー。経験に基づく打球予測と老練なラケットさばきで多彩な回転をつけて勝負する。25日の2回戦は、自身の娘より若い韓国の申裕斌(17)に敗れはしたが、フルゲームの接戦を演じ「体も技術も相手が上だった。年下の選手とやるのも、もう慣れた」と表情は晴れやかだった。

 体の衰えは自認しているが、ゲーム間に炭酸飲料を飲み干すなど若々しい。24年のパリ五輪は61歳で迎えるが「体が元気なら。出るには運も必要だから」。その横で、コーチとして支える夫は笑って言った。「彼女はたぶん、パリに出ると思うよ」(今井恵太)

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シリアの12歳 24分の夢舞台

シリアの内戦を乗り越えて東京五輪に出場したヘンド・ザザ=ロイター
シリアの内戦を乗り越えて東京五輪に出場したヘンド・ザザ=ロイター

 ヘンド・ザザは、今大会最年少の12歳で五輪の舞台に立った。24日の女子シングルス予選で、27歳年上で五輪出場6度目のジャ・リュウ(オーストリア)にストレート負け。わずか24分の挑戦だったが、「初の五輪でベストは出せた」。

 かつてイスラム過激派組織「イスラム国」が支配していたシリア中部のハマ県出身で、物心がつくころには内戦が始まっていた。兄に憧れ、5歳で本格的に練習を始めた。空爆や停電の影響で思うように練習ができないことは日常茶飯事。それでも夢を追いかけ、西アジア予選決勝で42歳のレバノン選手を破り、五輪切符をつかみ取った。

 開会式では旗手の大役を担った。国を代表して堂々と戦い、「この5年は非常に大変だった。それでも、どんなに困難を抱えていても、夢のために闘い、努力すれば、ゴールにたどり着くことができる」。重く、希望に満ちたメッセージは、世界中の子どもたちに届いたはずだ。(崎田良介)

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2241492 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/28 15:00:00 2021/07/28 15:00:00 58歳で東京五輪に出場したルクセンブルクのシャリャン・ニ(25日、東京体育館で)=大原一郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210728-OYT1I50106-T.jpg?type=thumbnail
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