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ウルフ 接戦の支配者…柔道

  
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柔道男子100キロ級決勝、韓国の趙グハム(手前)を破り金メダルを獲得したウルフ・アロン(29日、日本武道館で)=竹田津敦史撮影
柔道男子100キロ級決勝、韓国の趙グハム(手前)を破り金メダルを獲得したウルフ・アロン(29日、日本武道館で)=竹田津敦史撮影

 男女各1階級が行われ、男子100キロ級のウルフ・アロン(了徳寺大職)と女子78キロ級の浜田尚里(自衛隊)が、ともに初優勝。ウルフは決勝で趙グハム(韓国)に延長の末、一本勝ち。世界選手権、体重無差別の全日本選手権に加えて五輪も制し、男子8人目の「柔道三冠」を達成した。浜田は決勝のマドレーヌ・マロンガ(仏)戦を含む4試合オール一本勝ちで頂点に立った。男子100キロ級の日本勢制覇は、2000年シドニー大会の井上康生以来。女子78キロ級の金メダルは、04年アテネ大会の阿武教子以来となった。

男子100キロ 防御徹底スタミナ無限

8人目「三冠」

 時間がたつほど強くなっていく。驚異的なスタミナを誇るウルフが最高の栄誉を手にした。日本男子の井上康生監督以来の日本の100キロ級制覇。「21年ぶりに金メダルを日本に取り戻すことができた」と胸を張った。

 真骨頂は第1シードのバルラム・リパルテリアニ(ジョージア)との準決勝だった。開始2分半過ぎに大内刈りで技あり。試合時間はまだ1分以上残っている。ここで団体戦の強豪・東海大で主将を任された経験が生きた。最優先すべきは勝利。負けは許されない局面だ。絶対にポイントを奪われないように指導一つを受けるだけで巧みに防御に徹し、見事に逃げ切った。

 同じ失敗を繰り返さないのがウルフの良さだ。歴史の本を読み、失敗から教訓を学ぶ。決勝の相手だった趙グハムには2019年の世界選手権で一本背負い投げに不覚を取っていた。その反省を生かし、背負い投げ対策を繰り返して臨んでいた。この日の決勝、組み手で上回って圧力をかけ、相手の背負い投げを徹底して封じた。「接戦になればなるほど、僕自身の持ち味が出てくると信じて戦った」

 18年に左膝を負傷。19年の年末には右膝を手術した。コロナ禍で五輪が1年延期になる中、リハビリと稽古に取り組んだ。前日に両膝に痛み止めの注射を打っていたことも明かした。

 「研究が3割、対応力が7割」とウルフは言う。井上康生の内股のような切れ味、鈴木桂治の足技のような豪快さはないかもしれないが、ウルフには持ち前のパワーに加え、戦略と状況判断の巧みさがある。井上監督は「私が現役の時と比較しても、これほど 緻密ちみつ に、これほど努力を重ねた選手はいない」とたたえる。金メダルラッシュの勢いに乗り、日本柔道史に名を刻む新たな三冠王者が誕生した。(松田陽介)

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2246305 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/30 05:00:00 2021/07/30 05:00:00 柔道男子100キロ級決勝 韓国の趙グハム(手前)を破り金メダルを獲得したウルフ・アロン(29日、日本武道館で)=竹田津敦史撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210729-OYT1I50228-T.jpg?type=thumbnail
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