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畳じゃ別人の「はまちゃん」、映像教材で寝技に目覚め武器に…遅咲き尚里

  
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柔道女子78キロ級で金メダルを獲得し、ほっとした表情を見せる浜田尚里選手(29日、日本武道館で)=竹田津敦史撮影
柔道女子78キロ級で金メダルを獲得し、ほっとした表情を見せる浜田尚里選手(29日、日本武道館で)=竹田津敦史撮影

 磨き上げた寝技で世界を制した。柔道女子78キロ級で金メダルを獲得した浜田 尚里しょうり 選手(自衛隊)は、高校時代に見た映像教材で寝技に目覚め、誰にも負けない武器とした。五輪初出場の30歳は「研究されても、その上をいけるように練習してきた」と胸を張った。(石坂麻子、峰啓)

 試合会場には、おにぎりを5個用意して向かう。口下手で細かいことは気にしない。笑みを絶やさず、柔道教室で教えている小学生からは「優しくてかわいい」と愛され、「はまちゃん」と呼ばれている。

 だが、畳の上では一変する。練習でも試合さながらに激しく足技を繰り出す。出稽古先から「もう来ないで」と言われ、外国のコーチから「ノーキック」と注意を受けたこともある。

 「何でもいいから、習い事をしてみたい」。鹿児島県霧島市の自衛隊の柔道教室に通い始めたのは、10歳の時だった。

 不器用で、ほかの子より技の習得に時間がかかったが、人一倍、柔道が好きだった。体の使い方、技のかけ方など、指導者の谷口忍さん(47)を質問攻めにした。

 谷口さんは言う。「運動神経がいいわけではなく、素質はなかった。だが、決めたことを最後までやり抜く才能があった」

 県立鹿児島南高で取り組んだのは寝技だった。午前7時半から始まる朝練の1時間前に道場に行き、幻のモスクワ五輪代表で、「寝技師」と呼ばれた柏崎克彦さん(69)の映像教材を見て研究した。

 山梨学院大に進学すると、ロシア生まれの格闘技「サンボ」を練習に取り入れた。投げ技や関節技が特徴で、寝技に持ち込むまでの動きに生かした。

 全国大会出場、日本代表入り、国際大会優勝――。一つ一つ目標をクリアし、東京五輪を目指すようになったのは、2年前。子供の頃は想像すらしなかった舞台にたどり着いた。

 この日は4試合全て、寝技で一本勝ち。いずれも3分以内に決着をつける圧勝だった。「寝技で勝ち上がれたので良かったと思います」。試合後、そう言ってはにかんだ。

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2246440 0 東京オリンピック2020速報 2021/07/30 05:00:00 2021/07/30 06:45:02 柔道女子78キロ級 金メダルを獲得し、笑顔を見せる浜田尚里(29日、日本武道館で)=竹田津敦史撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210730-OYT1I50028-T.jpg?type=thumbnail
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