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「私…病気をする前よりも、今の方が絶対に強くなってる」池江の前向き姿勢に驚いたコーチ

  
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 一緒に泳いだ仲間と抱き合い、プールサイドで号泣した。最後の出場種目となる競泳女子400メートルメドレーリレーの決勝を終えた池江璃花子選手(21)(ルネサンス)。最下位の8位だったが、白血病を乗り越え、夢の舞台に再び立った喜びにあふれていた。(森田啓文)

東京五輪での最後のレースを終え、五十嵐千尋選手と抱き合う池江璃花子選手(右から2人目)。左端は渡部香生子選手、左から2人目は小西杏奈選手(1日、東京アクアティクスセンターで)=上甲鉄撮影
東京五輪での最後のレースを終え、五十嵐千尋選手と抱き合う池江璃花子選手(右から2人目)。左端は渡部香生子選手、左から2人目は小西杏奈選手(1日、東京アクアティクスセンターで)=上甲鉄撮影

 「一度は諦めかけた東京五輪だったが、また決勝で泳ぐことができた。すごい幸せだなっていうふうに思います」。試合後のインタビューで声を震わせた。

 16歳で臨んだリオデジャネイロ五輪で、リレーを含む7種目に出場し、100メートルバタフライは入賞した。2018年8月のアジア大会では競泳日本史上最多の6冠を達成し、東京五輪に向けた期待が高まっていた。

 わずか半年後、白血病を公表した。闘病生活を終え、退院したのは19年末。筋肉がすっかり落ちた体で、かつて通った「東京ドルフィンクラブ江戸川スイミングスクール」(東京)を訪ねた。

東京五輪出場を祝う花束を受け取り、笑顔の池江選手=清水コーチ(右)提供
東京五輪出場を祝う花束を受け取り、笑顔の池江選手=清水コーチ(右)提供

 「退院できて良かった」。小学6年間指導した清水 けい コーチ(46)はこう言った後、池江選手の極細ジーンズ姿を話題にした。「はけるのは今だけ。チャンスチャンス」。以前と同じ明るい返事に、清水コーチは涙をこらえた。

 〈コーチへ これからもたくさんおしえて下さい!! りかこ〉。再会の後、昔もらった手紙を見返し、「ここからゆっくり、パリ五輪を目指せばいい」と心の中でつぶやいた。

 だが、復帰のスピードは想像以上だった。退院から約3か月後にプールでの練習を再開。昨年8月には1年7か月ぶりにレースに復帰した。

 翌月開いたお祝いの席で、さらりと言った。「私、病気をする前よりも、今の方が絶対に強くなってる」。清水コーチは計り知れぬ前向きな姿勢に驚いた。

 自分でも「完全に想像を超えていた」と語った東京五輪出場。3種目を泳ぎ切り、世界のスイマーと競うと、新たな収穫があった。

 この日のリレーで、自分の記録が予選を下回ったことを挙げ、「足りないところがたくさん見つかった。本番で力を発揮することの難しさを改めて感じた」と真剣な表情で語った。

 テレビで見守った清水コーチは言う。「女子リレーの決勝進出は難しいと思っていたが、やっぱりやってくれた。仲間から力をもらい、璃花子も与えたのではないか」

 池江選手は、応援する人や自分自身の想像を超え、きっとまだまだ強くなる。

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2253528 0 東京オリンピック2020速報 2021/08/01 23:21:00 2021/08/02 06:43:03 競泳女子400メートルメドレーリレー決勝を終え、最終泳者の五十嵐千尋選手と抱き合い、笑顔を見せる池江璃花子選手(右から2人目)(1日、東京アクアティクスセンターで)=上甲鉄撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210801-OYT1I50123-T.jpg?type=thumbnail
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