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東京五輪のボクシング女子フェザー級(57キロ以下)で3日、入江

決勝は「13年間の(ボクシング経験の)すべてを出そう」とリングに立った。だが、フィリピンの強豪との激しい打ち合いを制した試合内容は「何も覚えてない」と苦笑いする。「気がついたら(表彰式のために)着替えていた。無我夢中だった」
リング上で判定が読み上げられた瞬間は、手をたたき、両腕を広げて跳び上がった。大粒の涙を流し、相手選手と抱き合って健闘をたたえ合った。表彰式では日の丸の掲揚を感慨深げに見つめていた。「実感が湧かないので、金メダルをこれから何度も見つめます」と、ほほ笑んだ。
鳥取県米子市出身の20歳。実家で母が持っていたボクシング漫画「がんばれ元気」を読んだ小学3年の頃から、地元のジムに通って練習に励んできた。今大会の水泳・飛び込みに出場した三上紗也可(日体大)は中学の同級生で、今も競技の枠を超えて励まし合っている。
高校1年夏に公式戦で初黒星をつけられた相手が、2学年上の並木月海(現・自衛隊)だった。「自分よりずっと早くから、並木さんは世界大会で活躍してきた。いつか肩を並べられるようにと頑張ってきた」。現在は一つ下の階級で戦う並木と2人で、東京五輪に出場した。並木も準決勝に勝ち残ってメダルを確保しているが、一足先に金メダルを獲得した。
並木と一緒に考えたボクシング日本女子代表チームの愛称は「ブルーローズ・ジャパン」。青いバラの花言葉「夢かなう」にちなんでつけた。並木と2人でメダルを取り、大輪の花を咲かせた。(読売新聞オンライン)