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無敵姉妹、千金の絆…レスリング女子の川井梨紗子・友香子

 
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レスリング女子57キロ級決勝の後、金メダルを手に満面の笑みを見せる川井梨紗子選手(右)と妹の友香子選手(5日、幕張メッセで)=三浦邦彦撮影
レスリング女子57キロ級決勝の後、金メダルを手に満面の笑みを見せる川井梨紗子選手(右)と妹の友香子選手(5日、幕張メッセで)=三浦邦彦撮影

 「姉妹で金」。レスリング女子57キロ級の川井梨紗子選手(26)(ジャパンビバレッジ)が5日、前日に62キロ級を制した妹の友香子選手(23)に続き、夢をかなえた。苦しいときも、うれしいときも、2人はいつも一緒だった。(森田啓文)

「一緒に1位」幼い日から

 前日、妹が金メダルを勝ち取る姿を観客席から見守った。「私も続く」。迎えた決勝の舞台で、今度は妹の声援を力に変えた。

 目標はいつも同じだった。小学校のマラソン大会では「一緒に1位になろう」と約束し、それぞれの学年でトップになった。卒業文集に「自分の1位よりも、妹との約束を守れたことがうれしい」と書いた。

 石川県の実家を離れて進学したのも同じ強豪の至学館高校・大学(愛知)。指導者から「姉妹で五輪だ」と励まされてきた。

 先に花開いたのは、姉の梨紗子選手。2016年リオデジャネイロ五輪の63キロ級で優勝した。その日から、次の東京での「姉妹で金」を目標にしてきた。

最強ライバル、伊調の壁越え

 だが、梨紗子選手は18年12月、五輪の代表選考に向けた試合で伊調馨選手(37)に敗れた。会場内の暗がりで母、初江さん(51)の胸で泣いた。数日後、家族に「レスリングをやめたい」と告げた。世の中のみんなが、五輪5連覇を目指す伊調選手の味方に思えた。

 家族は「がんばれ」とも「やめろ」とも言わなかった。母は「あと一度だけ、梨紗子らしい試合を見せて」と言った。

 練習をせずに年末年始を過ごし、拠点の至学館大に戻った。五輪を目指すライバルでもある後輩たちが、練習相手になろうと待っていてくれた。

 「姉妹で金」の約束も大きかった。「しんどいけど、また頑張るよ」と妹に告げた。半年後、伊調選手に連勝し、五輪への道を切り開いた。

 2人で迎えた五輪。強敵との対決となった準決勝の前、妹に「いつも通りやれば大丈夫。ずっと見ているから」と言われ、気づいた。「私が姉だから引っ張らなくてはと思っていたけど、本当は友香子に支えられているんだな」

 共に戦う妹、支えてくれる家族、練習相手、競い合ってきた選手たち――。全ての人の思いを胸にマットに立った。勝利の直後、観客席の妹と目を合わせ、両手を高々と掲げた。「(前日に)友香子にあんな試合を見せられて、やるしかないと思った。色んな思いを抱えて頑張ってきて。本当にいい日です、今日は」

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2264930 0 東京オリンピック2020速報 2021/08/06 05:00:00 2021/08/06 07:46:02 レスリング女子57キロ級決勝の後、金メダルを手に満面の笑みを見せる川井梨紗子選手(右)と友香子選手(5日、幕張メッセで)=三浦邦彦撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210806-OYT1I50028-T.jpg?type=thumbnail
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