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猛暑の白熱レース、沿道は「密」状態…観戦自粛呼び掛けにも「雰囲気感じたくて」

  
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 5日午後に開催された東京五輪の陸上男子20キロ競歩。真夏日が続く札幌の目抜き通りをトップ選手が歩き、日本人選手2人が銀、銅メダルを獲得する盛り上がりを見せた。ただ、新型コロナウイルス対策で沿道での観戦自粛が呼びかけられる中、コース沿いには多くの観客が訪れ、「密」状態になる場面もあった。

表彰式の様子を写真に収めようとする沿道の観客ら(5日、札幌市中央区で)=割田謙一郎撮影
表彰式の様子を写真に収めようとする沿道の観客ら(5日、札幌市中央区で)=割田謙一郎撮影

■点字ブロック塞ぐ

 「立ち止まらないで」。発着点の大通公園周辺では、プラカードを掲げて観戦自粛を呼びかけるスタッフを前に、沿道に詰めかけた観客が、「頑張れ」と声を張り上げて国旗の手旗を振っていた。

 鳴子を手にしていた札幌市西区の女性(67)は「五輪の雰囲気を感じたくて。後ろめたい気持ちはあるけど、ワクチンは打ったから……」と話した。

 人だかりなどで点字ブロックがふさがり、道ばたの花壇脇に座り込んでいた視覚障害者の女性は、「途中から点字が読めなくなった。五輪会場に近いことには気づかなかった」と疲れた様子で語った。観戦自粛を呼びかけた女性スタッフ(19)は「マラソンはもっと密になるのでは」と心配した。

 コース近くの書店でアルバイトをしていた同市白石区の専門学校生の男性(19)は「競技を見たい気持ちもあったが、感染が怖い」と足早に帰路についた。

大量の水や氷が用意された給水地点
大量の水や氷が用意された給水地点

■続く真夏日

 この日の札幌市の気温は、正午時点で33・4度。競技中の午後5時時点でも30・1度だった。市内は16日連続の真夏日となり、選手たちはペットボトルの水をかけて体を冷やした。通りかかった同市豊平区の男子大学生(22)は「この時間でも暑いなんて。選手が倒れないか心配」と気遣った。

 同市北区の男子大学生(18)は、表彰台に上がる日本人の2選手を見つめながら、「コロナで大会が延期され、大変な状況の中、結果を残せるのはすごい」と感動していた。

 一方、発着点付近のカフェ「徳光珈琲大通店」では、冷房の利いた店内で、来店客が窓越しの観戦を楽しんだ。札幌開催が決まった2019年の時点で予約したという同市豊平区の女性(47)は「競歩は何度も往復するから見ていて面白い」と話した。

■企業、交通に影響

 コースに面したビルに入る企業や店舗では、競技に伴う交通規制への対応に追われた。

 大通公園近くのあるホテルには、クリーニング業者が出入りできず、宿泊客から預かった衣類の返却に普段よりも時間がかかった。規制がさらに長時間にわたる6日は、クリーニングの受け付け自体を中止する。

 百貨店「札幌三越」は通常通り営業しているが、6日は交通規制される時間帯を避けるため、担当者が未明に出勤して商品の仕入れを行う。店の広報担当者は「お客に迷惑がかからないよう、従業員一同で乗り越えたい」と話した。

 路面電車(市電)はコースと重なる区域の西4丁目―すすきの間が午後1時半~午後7時半、運休となった。8日まで、折り返し運転を続ける。

       ◇

多様性、アイヌ舞踏で伝える

 東京五輪のテーマは「多様性と調和」。男子20キロ競歩スタート前の5日午後には、競技会場近くの「さっぽろテレビ塔」前で、アイヌの伝統舞踊が披露された=写真=。

 道内各地に伝わる15の伝統舞踊で構成した「ウポポ ヤン リムセ ヤン(うたいましょう。踊りましょう)」と題したプログラム。男女約80人が、伝統楽器ムックリを奏でるなどした。

 会場は無観客とし、8日までに計5回、披露される予定。プログラムを監督した演出家・秋辺日出男さん(61)は「五輪は世界が注目するまたとない機会。多様性を大切にするアイヌの精神を伝えたい」と話した。

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2265467 0 東京オリンピック 2021/08/06 10:14:00 2021/08/06 10:26:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210806-OYT1I50069-T.jpg?type=thumbnail
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