喜友名「僕も世界一になりたい」、師匠「365日やるけど大丈夫ね?」
完了しました
向田「金」…レスリング
バスケ女子 初メダル「銀」以上



東京五輪は第15日の6日、新種目の空手男子形で、
野中「銀」、野口「銅」…クライミング
新種目のスポーツクライミング女子複合は、野中
陸上男子400メートルリレー決勝で前回銀の日本は、バトンパスのミスで途中棄権となった。
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1メートル70、82キロの体がコート(畳)に上がり、大きな目がさらに見開かれると、無観客の日本武道館は一層、静まりかえった。喜友名が金メダルをつかむための突きを繰り出した。
空手の「形」は、技そのものや一連の動きなどを見る「技術点」と力強さやスピードなどの「競技点」が、計30点満点で評価される採点種目。演武は約100種類の中から選ぶ。喜友名は正確な技術に加えて持ち味の力強さや柔らかさを発揮し、唯一、予選からの4演武で全て28点台を出した。
沖縄発祥の空手への思いも込めた。東京大会の追加競技だったが、次回パリ大会で外れる。「復活すると信じ、次世代の選手たちのためにも最高のパフォーマンスを」と決めていた。
5歳の頃、空手を始めた。国内の好選手だった喜友名に中学3年生で転機が訪れる。両親に連れられ、元世界王者の佐久本
何度も巻きわらを突き、拳に無数の傷痕が刻まれた。海外遠征で同部屋だった選手によると、「朝起きたら、(喜友名は)もう稽古で汗だくだった」。沖縄県出身者で、喜友名は初の五輪金メダリストになった。
試合後、コートの中央に正座して深々と頭を下げた。表彰式で、2019年に乳がんのため57歳で亡くなった母の遺影を掲げた。「今は、全てに感謝しかない」。大きな目から鋭さは消え、柔らかな達成感が浮かんでいた。(今井恵太)