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指先の皮すり減り、スマホ指紋認証もきかず…「銀」野中生萌

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 3種目で争う女子複合決勝が行われ、野中 生萌みほう (XFLAG)が銀、野口 啓代あきよ (TEAM au)が銅と日本勢がそろってメダルを獲得。野中はスピードとボルダリングがともに3位、リードは5位。野口は3種目とも4位だった。世界選手権複合2連覇のヤンヤ・ガルンブレト(スロベニア)が制した。

手首や膝「痛み無視」

スポーツクライミング女子複合で銀メダルに輝いた野中生萌のボルダリング=守谷遼平撮影
スポーツクライミング女子複合で銀メダルに輝いた野中生萌のボルダリング=守谷遼平撮影

 「体を壊してでもメダルを取りに行きたい」。予選後、並々ならぬ決意をそう表現していた野中。手首や膝などのケガが続いて決して万全ではない中、痛みに顔をゆがめながら、群を抜く精神力で銀メダルをつかんだ。

 日本記録を持つスピードは3位。縦の移動がメインのスピードに比べ、続くボルダリング、リードはあらゆる方向への動きがある。痛めている部位には負担が大きいが「痛みは無視した」。最初の課題は失敗したものの、残り二つは途中ポイント「ゾーン」に到達。特に3課題目は一発で達し、獲得ゾーン数が同じ選手の中で最上位の3位につけた。

 8歳で競技を始めた。小学生の頃は細かったが、中学で体が一気に成長。バランスが崩れ、試合でも勝てなくなった。その頃、たまたま姉の部屋で見つけた言葉が今でも座右の銘。「今に見ていろと笑ってやれ」。苦しい時期も練習を怠らず、反骨心を磨いた。

 リードでも執念を見せた。指先の皮はすり減り、スマートフォンの指紋認証はほとんどできない。鍛錬の歴史が刻まれたその手で壁を登った。中盤の落下で5位になったが、ボルダリングの粘りが生きた。3種目の順位の掛け算による総合成績でメダルが決まると、銅の野口と抱き合った。「啓代ちゃんとメダルを取れて良かった。彼女が目標だった」

 5月に生まれ、新緑のイメージから「生萌」と名付けられた。「色んな挑戦があった大会だった。懸ける思いもどんどん変わっていった。五輪ってすごいなあって感じです」。笑顔にみずみずしい生命力がはじけた。(工藤圭太)

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2268045 0 東京オリンピック 2021/08/07 05:00:00 2021/08/07 07:55:23 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210807-OYT1I50028-T.jpg?type=thumbnail
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