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森下から栗林まで最高の継投、守りから攻撃につなげる野球で五輪制す…鹿取義隆の侍解説

  
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金メダルを決め、歓喜を爆発させる日本の選手たち
金メダルを決め、歓喜を爆発させる日本の選手たち

日本 2―0 アメリカ

 決勝は、しびれる勝負だった。

 アメリカの先発・マルティネスは勢いのある真っすぐと低めへのチェンジアップで日本打線を手こずらせた。それだけに、三回の村上の本塁打は値千金だった。カウント2-2と追い込まれていたが、甘く高目にきたチェンジアップを逃さず、軸がぶれずに前でさばけた。この球が来るのを分かっていたかのような一打だった。

 この1点を森下が守り、五回最後まで投げ切った。ここからは、六回アタマに千賀、そして伊藤と、継投が非常にうまくいった。八回途中で伊藤をリリーフした岩崎は、打者のタイミングを完全に外す投球。見事な火消しで、終盤の追加点を呼び込んだ。守護神の栗林は、5試合全試合を締め、決勝はまさに気迫あふれるマウンド。日本ナイン全員の力が、彼の右腕に乗り移ったかのようなピッチングだった。

 チームの連勝で、日程が中1日、2日と、いい試合間隔が開き、投手起用のやりくりが楽になったことも大きかった。

金メダルにつながった「甲斐フォン」

 試合中にベンチの甲斐が、自らブルペンとの電話をとって話している場面があった。普通は投手コーチの仕事で、ペナントレースなどではあまり見ない光景だ。横浜スタジアムはブルペンが外野にあって遠いから、ということもあるだろう。推測になるが、次に投げる投手と、その球を受ける捕手が直接話すことで、いいコミュニケーションが取れ、リリーフする投手もマウンドに行きやすくなる。いいアイデアだと思った。

 野手のメンバーは、大会の途中で細かい入れ替えがあったものの、決勝の先発は、初戦と2戦目を戦った「ベストオーダー」に立ち返って臨んだ。4番の鈴木が準決勝まで不振だったが、稲葉監督は最後まで打順を変えなかった。4番が打てなくても周りの打者でつなぐ流れがあったから、私もあえて変える必要はないと思っていた。鈴木は決勝で2本の安打を放ち、締めてくれた。1、2番の山田と坂本、8、9番の村上と甲斐が好調で、打線がよくつながった。もともと、メンバーを見れば、自分のチームでは中軸を打っている選手ばかり。実に豪華な布陣だった。

 それでも、大会を通して、日本はサヨナラ勝ちが2試合あった。決して楽なビクトリー・ロードではなかった。しかし、投手力が良く、その守りから攻撃につなげられたという点で、日本の戦いは稲葉監督の理想とするものではなかったかと思う。(読売新聞スポーツアドバイザー)

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2269737 0 東京オリンピック 2021/08/07 23:57:00 2021/08/09 18:33:51 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210807-OYT1I50272-T.jpg?type=thumbnail
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