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稲見選手、昨年の大晦日に突如ジムへ…トレーナー「まさか有名プロとは思わなかった」

  
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プレーオフで稲見選手が銀メダルを確定させた瞬間、北谷津ゴルフガーデンのラウンジは歓喜に包まれた。奥左から2番目が土屋社長(北谷津ゴルフガーデンで)
プレーオフで稲見選手が銀メダルを確定させた瞬間、北谷津ゴルフガーデンのラウンジは歓喜に包まれた。奥左から2番目が土屋社長(北谷津ゴルフガーデンで)

 稲見選手が小学生時代から技術を磨いてきた千葉市若葉区のゴルフ練習場「北谷津ゴルフガーデン」が、銀メダルに沸いた。五輪のゴルフでは、男女を通じて日本勢初のメダル獲得。テレビ越しにプレーを見守った関係者から、偉業をたたえる声が上がった。

 稲見選手は9歳の時に都内の河川敷練習場でゴルフを始め、11歳の時にジュニア育成で有名な北谷津にやってきた。当初は都内から通ったが、家族で千葉市内に引っ越し、中学時代は授業が終わると練習場に直行。午後10時の営業終了までショートコースを回り、練習場でボールを打ち続けた。

ゴルフ女子最終ラウンド プレーオフを制し、銀メダルを獲得した稲見萌寧選手(7日、霞ヶ関カンツリー倶楽部で)=守谷遼平撮影
ゴルフ女子最終ラウンド プレーオフを制し、銀メダルを獲得した稲見萌寧選手(7日、霞ヶ関カンツリー倶楽部で)=守谷遼平撮影

 稲見選手の1週間は、今も練習拠点にする北谷津の朝食で始まる。自ら特製の和朝食を作り、稲見選手に振る舞う同ガーデンの土屋 大陸ひろみち 社長(67)は「朝からよく食べる。トレーニングに出かける時はおにぎりを作って持たせる時もある」。自分の娘のように成長を見守ってきた。

 銀メダルの快挙に、土屋社長は「とにかく練習熱心で妥協しない。さらに上を目指そうという姿勢が今回のメダルにつながったと思う。帰ってきたら朝食を作ってあげたい」とうれしそうに語った。

 同ガーデンで銀メダル獲得を見届けた篠崎紀夫プロ(51)は「メンタルの強さは自分も見習いたい」と脱帽する。「彼女はプレーオフは『勝ちたい』ではなく、『勝つつもり』でやっている。どんなピンチも自分のペースを崩さず無理をしない。さらに強くなる」と絶賛した。

 いつも稲見選手の練習を離れた打席から見ているという高校1年生の生徒(15)は「アイアンショットの精度がすごい。練習に来るといつもいるので参考になる。自分も稲見さんのようなプロになりたい」と目を輝かせた。

(戸田光法)

「感動ありがとう」ジムトレーナー

 稲見選手が昨年末から通う練習場近くの同区のパーソナルジム「TRANSFORM」では、トレーナーの平野洋平さん(40)が「頑張ったのは彼女。その力になれたのならうれしい」と、銀メダル獲得の快挙を喜んだ。

 昨年12月31日、稲見選手が突然、ジムを訪ねてきた。「飛距離を伸ばしたい」と頼まれた平野さんは、「まさかそこまで有名なプロゴルファーだとは思わなかった」という。

 体幹と下半身を中心に鍛える1時間半~2時間のウェートトレーニングのメニューを組み、最後の20分間にはキックボクシングを取り入れた。スイングで腰を回転させ、足の裏で地面をしっかり蹴って体重を乗せるゴルフの動きと、パンチや蹴りを繰り出すキックボクシングの動きが似ていると考えたからだ。

 きつい練習に、最初の1、2週間は筋肉痛で歩くのもつらそうだったが、稲見選手は週5~6日、トレーニングに欠かさず通った。

 成果は着実に表れ、30~40キロのバーベルしか挙げられなかったスクワットは、2か月たつ頃には70~80キロを挙げるまでに。キックは、ミットを構える平野さんがよろけてしまうほどの威力になった。

 7日の最終ラウンド。安定した下半身から繰り出される力強いスイングに、平野さんは「初めて会ったときとは別人のように強くなった」と目を細め、「感動をありがとう」と語った。(猪塚さやか)

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2270523 0 東京オリンピック 2021/08/08 11:59:00 2021/08/08 12:19:53 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210808-OYT1I50073-T.jpg?type=thumbnail
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