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五輪開会式ピクトグラムの「中の人」、全50種目の「最も躍動感あるところ切り取った」

  
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 東京五輪の開会式で話題を呼んだピクトグラムのパフォーマンス。顔まで覆われた青と白の衣装を着た「中の人」の1人は、秋田県北秋田市出身でパフォーマンスコンビ「GABEZ(ガベジ)」のMASAさん(40)だった。舞台裏や演技に込めた思いを聞いた。

(聞き手 阿部華子)

東京五輪の開会式でピクトグラムのパフォーマンスを披露するMASAさん(左)(7月23日)
東京五輪の開会式でピクトグラムのパフォーマンスを披露するMASAさん(左)(7月23日)
オンラインでインタビューに応じるMASAさん
オンラインでインタビューに応じるMASAさん

 ――参加することになったきっかけは。

 今年2月、師匠のような存在のパントマイムパフォーマー「が~まるちょば」のHIRO―PONさんから、1964年東京五輪で初めて作られたピクトグラムを、今回はあえて人で表現するから「協力してほしい」と言われた。

 僕が生きているうちにあるかないかの東京五輪。その舞台に立てることに驚きとわくわくが入り交じった気持ちでオファーを受けた。

 ――役割は。

 50種目全部を表現するメインのピクトグラム。選手は自分の種目がどう演じられるのかに注目するはずだから、すべてのピクトグラムに対して、真剣に、一生懸命にやろうと思った。

 バドミントンのラケットを落としてしまった時は決まりが悪かったが、舞台が終わってから周りの反応をみると、逆に「ライブ感」をもたらしたようで、良い方向に流れてくれたなら良かった。

 ――あの舞台はどのように作られたのか。

 演出のHIRO―PONさんを中心に、音楽、映像、衣装、照明など多くのクリエイターが集結し、約6か月かけて様々なアイデアが形になった。たとえば途中映像で表現するところは、照明の当て方だけで3時間くらいかけて確認した。効果的に影が作られて、2次元のピクトグラムが3次元に見えるように浮き上がる。プロフェッショナルが集まった空間に身を置くことができて幸運だった。

 ――コロナ禍の影響もあった。

 緊急事態宣言の影響で今年5月、打ち合わせも練習も完全にストップしてしまった時期が続いた。焦りもあって長く感じたが、その間、体だけは鍛えていた。ピクトグラムはその種目で最も躍動感のあるところを切り取っていて、僕はその瞬間を50種目分やる。かなり過酷で、本番までの練習でケガをしてはならないという気持ちで念入りにトレーニングに励んだ。

 直前に無観客開催が決まったが、選手たちは目の前にいる。おもてなしの気持ちと、開会式で楽しませるぞという気持ちで舞台に立った。

 ――反響は。

 多くの人が盛り上がってくれたことをSNSを通じて知った。地元の北秋田市の阿仁地区からも、たくさんの人から「元気になったよ」「がんばっているね」と連絡が来てうれしかった。仕事で付き合いのある海外の知人からも反響があり、国内外の人が見てくれたのだと興奮した。ピクトグラムが改めて見直されるきっかけを少しでも作ることができたなら、自分の役目を全うできたのかなと思う。

 この大舞台をやり遂げたことは、僕の人生の中で自信になっている。誇りと責任を持っていきたい。パフォーマーとして、「秋田出身で、こんな人がいるんだよ」って言ってもらえるようにがんばりたい。

 ◆ ピクトグラム =文字ではなく、イラストや図を使って、見ただけで意味が伝わるように作られたマーク。競技をわかりやすく図示するため、1964年東京五輪で初めて導入された。今回の東京五輪では全33競技の50種目のピクトグラムが制作された。

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2340030 0 東京オリンピック2020速報 2021/09/04 11:59:00 2021/09/04 11:59:00 東京オリンピック2020+。開会式。競技を分かりやすく説明するピクトグラム(図記号)のパフォーマンス。国立競技場で。2021年7月24日朝刊「東京五輪 開会式 決戦 和の舞台 伝統文化でお出迎え」掲載。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210903-OYT1I50059-T.jpg?type=thumbnail
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