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感動 永遠の結晶…勝利も敗北も絆になる

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 華やかな、けれどどこか違和感の残る祭典が幕を下ろした。開催国の人権問題、風前のともしびの五輪停戦。コロナ対策による変容やドーピングの闇。それでも大会は五輪精神と「一起向未来(ともに未来へ)」を掲げ、演出された祝祭感をうたいあげる。

閉会式で入場する日本選手団=大石健登撮影
閉会式で入場する日本選手団=大石健登撮影
閉会式で手を取り合って輪を作るフランスや日本の選手団(20日)=若杉和希撮影
閉会式で手を取り合って輪を作るフランスや日本の選手団(20日)=若杉和希撮影

 虚構のような世界で、唯一本物の輝きを放っていたのが、選手たちの活躍だった。全霊を懸けた挑戦と、純粋な歓喜や失意の涙。そこには、勝利と同じぐらい心にしみる敗北があった。

 本命視されたレースで2位に敗れ、優勝者に握手を求めに行ったスピードスケート女子の高木美帆。団体追い抜きでは、転倒して泣きじゃくる姉の菜那の横に、ただ黙って座っていた。

 「どんなにいろんなことを積んできても、報われない努力ってあるんだな」。フィギュアスケート男子の羽生結弦が振り返った。

 左手の骨折を押して未到の大技に挑んだ、スノーボード女子の岩渕麗楽。着地に失敗し4位に沈んだ岩渕に、各国のライバルたちが駆け寄り抱きしめた。

 人の真価は、失意や挫折とどう向き合うかに表れる。他者の勝利や敗北を、ともに分かち合う心の深さ。命を削って何かを希求し、届かなかった痛み。勝敗を超えた相手への称賛――。それは、どんな演出にも作り出せない、人間の心の輝きと切なさだ。

 私たちがスポーツの見せる刹那の人間性にひかれるのは、自身の心と響き合い、人とは何かを教えてくれるからだ。違いをこえて人とつながる、共感という絆になるからだ。

 分断の時代にあって、それは私たちに残された希望なのかもしれない。政治に利用されるのではなく、不正にむしばまれるのでもなく、選手たちの輝きを守るために、五輪はどうあるべきか。そんな問いも残した大会だった。(結城和香子)

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