東京パラ「金」の誓い

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 2020年東京パラリンピックの開幕まで、8月25日であと2年。新たに採用されたテコンドーとバドミントンを加えた22競技に挑む日本の選手たちは、1964年以来となる夏季大会の地元開催での活躍を期している。前回リオデジャネイロ大会で、日本が獲得できなかった金メダルを射程に入れるパラアスリート、テコンドーで成長著しいホープを紹介する。

車いす陸上 佐藤友祈 28(WORLD―AC)

極めた世界新の走り

東京パラリンピックで金メダルが期待される佐藤友祈(ともき)=2018年7月8日、正田醤油スタジアム群馬で
東京パラリンピックで金メダルが期待される佐藤友祈(ともき)=2018年7月8日、正田醤油スタジアム群馬で

 7月の関東パラ選手権で400メートル(車いすT52)、1500メートル(同)の2種目で世界新記録を樹立。東京大会を見据え、進化の年と位置づけたシーズンで目標を達成した。「どうしてもパラリンピックの前に世界新を出したかった。本番は自分のベストの力を出せば、金メダルに手が届く確信を得た」

 初出場で銀メダル2個を獲得したリオデジャネイロ大会では、引きこもりからメダリストになった競技人生が話題となった。21歳で脊髄炎を発症し、車いす生活に。現実から逃避し、実家でテレビやインターネットに没頭していたが、2012年のロンドン大会で躍動する車いすのアスリートに感動し、陸上の道へ。14年の大分国際車いすマラソン(ハーフ)を制するなど、わずかな期間で急成長し、大舞台にたどり着いた。

 無我夢中で過ごした日々から一転、次の4年間は、プランを練り上げ、一日一日を悔いなく過ごすことに決めた。リオ大会で敗れたレイモンド・マーティン(米)に勝つことを最初の目標にした。「映像を見ると、マーティンはゴール手前のひとこぎ、ふたこぎは手を止めていた。力の差にショックを受けた」

 自分より体重が軽く、序盤の瞬発力が武器のマーティンに対し、後半のスピードを維持し、レース全体の安定感を重視する走りを磨いた。「スタート直後は体の力を抜いて、5こぎ目で加速するイメージにした。筋肉が変に緊張せず、よりスムーズに最高速度に到達出来るし、レース後半により力が残った」という。昨年7月の世界選手権で、2種目ともマーティンに差をつけて勝利し、関東選手権では、トレーニングの成果を最高の形で表現した。

 リオでの日本の金メダルはゼロ。東京大会を控え、パラ競技への関心の高まりも肌で感じる。その分、目に見える結果が必要との思いも強い。「周りは僕をターゲットにしてくるはず。僕は(前回の銀から金を)奪いにいく立場で戦えればいい」。重圧を真っ正面から受け止め、悲願の金メダルを目指す。(畔川吉永)

テコンドー 阿渡健太 31(日揮)

この蹴り、サッカー仕込み

繰り返し蹴りの練習をするテコンドーの阿渡(あわたり)健太
繰り返し蹴りの練習をするテコンドーの阿渡(あわたり)健太

 テコンドーを本格的に始めて、1年もたっていない。それでも5月のアジアパラ選手権の61キロ級(K43クラス)で銀メダルを獲得。サッカーで鍛え上げた脚を武器にする期待の新星だ。

 神奈川県横須賀市出身。生まれつき右は肘から、左は手首から先がない。小学生の頃から健常者と一緒にサッカーに打ち込んできたこともあり、元々障害者スポーツには全く関心がなかった。だが2013年に、20年東京パラリンピックの開催が決まり、16年にリオデジャネイロ大会の映像を見たことで、心が動かされた。

 「リオで頑張っている人たちを見てすごいな、と思った。何か自分もできないか探し始めた」

 昨年1月、都内で行われたパラスポーツ体験会に参加。そこでテコンドーに出会った。「脚を使うことが好きだった。テコンドーは蹴ることが主体。一番、面白かった」。社会人になってもサッカーを続けていたため、脚の筋力と体力は維持していた。競技を始めるとすぐに頭角を現し、今年は、強豪の外国人選手に勝つほどの急成長を見せている。

 「東京では絶対にメダルをとりたい。残り2年しかないけど、届かないことはない」。パラスポーツという、新しいステージで全力を尽くす決意でいる。(荒井秀一)

39697 0 トピックス 2018/09/04 15:45:00 2018/09/04 15:45:00 陸上・ジャパンパラ競技大会。男子800メートルT52決勝で力走する佐藤友祈。正田醤油スタジアム群馬で。2018年7月8日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180904-OYT8I50078-T.jpg?type=thumbnail

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