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ノルディックスキー距離

平昌パラリンピック あと100日 栄光へ加速 川除大輝

 来年3月9日に開幕する韓国・平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピックまで、11月29日であと100日。同時に2020年東京夏季パラリンピック開幕までは、あと1000日になった。開幕に向け機運が高まる中、平昌に挑む若手のホープ、夏冬両方の出場を目指すタフなアスリートたちを紹介する。

  • インタビューに答える川除大輝
    インタビューに答える川除大輝

16歳「金」へ滑り抜く

 3月のワールドカップ(W杯)札幌大会男子距離5キロクラシカル(立位)で8位。2010年バンクーバー大会の金メダリスト、新田佳浩(37)(日立ソリューションズ)の後を継ぐ次代のエースとして期待がかかる。平昌に向け、「まずは入賞。新田選手に近づけたら、メダルも見えてくると思う」と目標を掲げる。

 富山県出身。生まれつき、両手足の指の一部がない。距離スキーを始めたのは小学1年の頃。いとこがクラブチームに入っていたことが、きっかけだった。「最初はストックも握れず、やめたいと思ったこともある。でも成績が少しずつ上がって楽しくなった」

 新田に憧れを抱いたのが小4の夏。ローラースキーの大会で、富山県を訪れた新田が、知人の紹介で川除(かわよけ)の自宅まで足を運んでくれた。輝く金メダルを見せてもらい、「ずっしりと重かった。日本の選手が世界の中でこんなに頑張っているんだと思って、自分のことじゃないけど、何だかうれしくなった」。まだ障害者スポーツの世界に挑戦しようという覚悟は決められなかったが、記憶の中にしっかりと、その大きな存在が刻まれた。

 中学では健常者スキーの全国大会に出場する一方、2015年には13歳で障害者スキーのW杯旭川大会にオープン参加した。「いけるかなと思って出たけど、周りの選手が思った以上に速かった。世界はすごいと思った」。このとき初めて障害者の世界でも本格的にやってみよう、と心が動いた。

  • 北海道旭川市で練習するノルディックスキー距離の川除=2017年11月23日、飯島啓太撮影
    北海道旭川市で練習するノルディックスキー距離の川除=2017年11月23日、飯島啓太撮影

 高校進学後も、今年2月に群馬県で行われた全国高校スキーに出場。健常者と障害者の大会を両立するアスリートは、夏季競技を含めても希少な存在だが、奮闘している。実力がアップしたことで、「憧れ」の新田の背中も視界にとらえ、今や「目標」と表現が変わっている。

 身長1メートル61、体重51キロ。障害者の大会ではストックを持たずに滑るため、上り坂は特に苦しいが、高い心肺機能と強い精神力でカバーする。「自分の体にない部分があっても、ある部分を生かせば健常者のようにできると思う。そういうところを見てほしい」

 次回大会の2022年北京パラリンピックも視野に入れる16歳は、力強く言い切った。(編集委員 荒井秀一)

2017年12月13日 10時50分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

日本のメダル獲得数

日本人メダリスト
  • 金:3
  • 銀:4
  • 銅:3

3月18日14時現在