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パラ「レジェンド」困難糧に…あと300日

 
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 延期された東京パラリンピックの開幕(来年8月24日)まで、28日であと300日。パラで長く活躍を続ける国内外の「レジェンド」が今回の困難を乗り越え、東京でさらなる高みに立つことを目指している。(畔川吉永、矢萩雅人)

成田 慎重に偉業挑む

所属クラブのプールでトレーニングを続ける成田真由美
所属クラブのプールでトレーニングを続ける成田真由美

 10月上旬のある日の午後、成田真由美(50)は横浜サクラスイミングスクール(横浜市)で延々と泳いでいた。プール練習を6月に再開し、現在は週6日、負荷のかかるパラシュートをつけるなどし、1日平均3000~4000メートルをノルマにする。「今日は軽め」とトレーニングを終えると、20年以上も通うクラブの職員と笑顔であいさつを交わし、自ら車を運転し、自宅近くのカフェに移動。ケーキを口にし、リラックスした表情に戻った。

 外出自粛期間中の陸トレで上半身を鍛え上げ、腕回りの筋肉が数センチ太くなった。「トレーナーからは『体つきが変わったね』と感心された。苦しい練習も含め、これが私の日常」と笑う。

 50メートル背泳ぎ(運動機能障害S5)など複数の日本記録を持ち、国内ではトップスイマーだが、世界のレベルが上がり、2016年リオデジャネイロ・パラリンピックではメダルを逃した。だが短距離種目に絞り練習の質と量を追求すれば、勝算はあると考えている。東京大会で通算21個目のメダルを手にすれば、男子競泳の河合純一氏(日本パラリンピック委員会委員長)に並ぶ。「水の女王」は新たな偉業に挑んでいる。

 故障や加齢に、感染症との闘いが加わった。来月上旬、国際競技団体公認の記録会が宮城県で開かれ、有力選手の多くが顔をそろえる。だが自身は出場しないと決めた。今年、実戦の機会はなく、本番まで1年を切る中、気持ちに焦りがないわけではないが、「(コロナ感染で重篤化する)リスクを考えると、とても無理はできない」。13歳で発症した脊髄炎の影響で車いすとなり、その後も交通事故に見舞われるなど数々の困難を味わっているだけに、コロナに対しても慎重だ。

 あらゆる経験を力にした時こそ、「全てをかけたい」と公言する東京で輝けるはず、との気持ちは強い。

ディアス(ブラジル) 「出場全種目ベスト更新」

東京パラに向けて練習に励むダニエル・ディアス=本人提供
東京パラに向けて練習に励むダニエル・ディアス=本人提供

 パラリンピック3大会で、計24個のメダルを手に入れた競泳男子のダニエル・ディアス(32)(ブラジル)が読売新聞のオンライン取材に応じ、「出場するすべての種目で自己ベストを更新したい」と東京大会への意気込みを語った。

 先天性の病気で生まれつき両腕の先と右脚の膝から下がないハンデを抱えながら、圧倒的な泳ぎで地元リオ大会では国民的ヒーローに。東京大会ではメダル数をどこまで伸ばすかが注目されるが、「メダルはあくまで結果。自分自身のベストを尽くし、できるだけ良い記録を出したい」と話す。

 新型コロナ感染者数が530万人超で世界第3位と深刻な状況が続くブラジル。自身も、3月にサンパウロ市郊外の自宅近くのプールが閉鎖され、水中での練習ができなくなるなどし、本格的なトレーニングを再開したのは、8月に入ってから。大会延期が決まった時は、「たくさん準備をしてきたので複雑な気持ちだった」が、今は「(これまでと)やる気は変わらない。新しい気持ちで300日後の大会を目指せている」。

 東京大会には「世界に喜びや笑顔を届けるという大きな意味がある。新型コロナを克服した大会と言われると期待しているし、そうなるだろう」との思いを持つ。最高の泳ぎを見せるための準備を進めるだけだ。

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1582972 0 東京パラリンピック 2020/10/28 05:00:00 2021/01/08 19:58:13 所属クラブのプールでトレーニングを続ける成田真由美(2日、横浜市青葉区で)=泉祥平撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201028-OYT1I50004-T.jpg?type=thumbnail
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