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「パラリンピックの原点」…アーチェリー

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 8月24日に開会する東京パラリンピックでは、9月5日までの大会期間中、22競技539種目が21会場で行われます。中にはオリンピックでは見られない特有の競技もあります。障害を抱える選手たちがどんな条件の下でしのぎを削っているのか――。ルールや見どころを通じて各競技の魅力を紹介します。(読売新聞オンライン)

パラの起源

 パラリンピックの起源は「アーチェリー」にあります。「パラリンピックの父」と呼ばれた医師ルートビッヒ・グットマン(ドイツ)は1948年、イギリスのストーク・マンデビル病院でアーチェリーの競技会を開きました。この競技会が国際大会に発展し、60年から五輪の開催国で開かれるようになりました。これを、国際パラリンピック委員会が第1回パラリンピックと位置付けているからです。

ルール

 パラリンピックの決勝トーナメントでは、「1対1」の対戦方式で行われます。50メートル以上離れた場所に設置された的の中心を狙って矢を放ち、より中心に近く、高い得点を獲得した方が勝利となります。

男子リカーブ代表の上山友裕選手(2021年6月5日撮影)
男子リカーブ代表の上山友裕選手(2021年6月5日撮影)

 パラリンピックではチームと個人、ミックスで計9種目が行われます。大別すると、四肢に障害がある「W1」と、使用する弓によって分けられる「コンパウンド」「リカーブ」です。

 リカーブとは、五輪のアーチェリーでも使用される弓です。直径122センチの的を使用し、的までの距離は70メートルです。

 一方のコンパウンドは、弓の上下に滑車がついており、小さな力で弓を引くことができます。直径48センチの的を使用し、的までの距離は50メートルになります。

 多くのパラ競技では障害によってクラスが分けられますが、アーチェリーはW1クラスを除いて、使う「弓」によってクラスが分けられているのも特徴の1つです。

弓を射る工夫

コンパウンド男子の宮本リオン選手(3月28日撮影)
コンパウンド男子の宮本リオン選手(3月28日撮影)

 「パラアーチェリーは高い点数を狙う前に、『どのように弓を持つか』というところが競技のスタートだ」。アーチェリー日本代表の大河原裕貴監督は、競技についてこう説明します。パラアーチェリーの弓を射る方法は、選手の障害によって千差万別です。足で弓を持つ選手もいれば、口で弦を引く選手もいます。

 大河原監督は「弓はもちろん、クッションや座る椅子、ベルトにいたるまで、選手の装備にはありとあらゆる工夫がこらされている。矢の行方や的に注目が行きがちだが、その選手がどのようにして競技を行っているかにも注目してほしい」と観戦するポイントを語ってくれました。

世界NO1アーチャーはパラリンピアン

ロンドンの金メダリスト、ザハラ・ネマティ選手(2019年7月撮影)
ロンドンの金メダリスト、ザハラ・ネマティ選手(2019年7月撮影)

 アーチェリーは、身体障害者のあるなしに関わらず誰もが一緒に競い合うことができる数少ない競技の一つです。

 ザハラ・ネマティ選手(イラン)は2012年ロンドン大会で金メダルを獲得。五輪・パラリンピックを通じてイランの女子選手が獲得した初の金メダルになりました。16年のリオ大会では五輪にも出場し、選手団の旗手も務めました。

 大河原監督も6月中旬に行われたオンライン取材で、「日本代表選手も身体障害者の大会だけではなく、一般の大会に出場して調整している」と明かしました。

 ちなみに「最も遠い場所にある的を射貫く」というギネス記録をもっているのは、2012年ロンドン大会の銀メダリストのマット・スタッツマン選手(アメリカ)です。それまで健常者がもっていた約219ヤード(約200メートル)の記録を約100ヤードも更新し、310ヤード(約283メートル)の世界最長記録を更新しています。

日本勢のメダル

 日本が初めて参加した1964年の東京大会以来、2008年の北京大会まで、アーチェリーでは12大会中11大会で日本人選手が表彰台に上がっていました。しかし、2010年代以降は低迷が続き、ロンドン、リオではいずれも表彰台を逃しています。東京大会では3大会ぶりのメダル獲得を目指します

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2184027 0 東京パラリンピック2020速報 2021/07/07 10:10:00 2021/08/30 17:44:07 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/t-archery.jpg?type=thumbnail
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