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3度目で「金」狙う、硬軟の持ち球駆使…ボッチャ・杉村英孝[Tokyo2020+]エース出陣

 
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 24日に開幕するパラリンピック。母国開催の大舞台を待ちわび、己の肉体の限界に挑んできた、各競技の主役候補たちを紹介する。

ボッチャ 杉村英孝 39

ボッチャ日本代表チームの壮行試合で投球する杉村英孝(7月13日)=沼田光太郎撮影
ボッチャ日本代表チームの壮行試合で投球する杉村英孝(7月13日)=沼田光太郎撮影

 「一丸」をスローガンに掲げ、団体と個人全クラスでメダルを狙うボッチャ日本代表。世界ランキング2位の実力、パラでの実績、代表としての立ち振る舞い――。全て備えた39歳のベテランの主将就任は「必然的なこと」(村上光輝監督)だった。3度目のパラを前に「メダルは揺るぎない目標。日本代表の自覚と誇りを持って戦う」と言い切る。

 7月の壮行試合では広瀬隆喜(西尾レントオール)との「エース対決」に注目が集まった。2019年12月の日本選手権決勝では、激闘の末、12・5メートル×6メートルのコートを広く使った広瀬の戦術に屈し、東京パラ代表内定を先に決められてしまった。前回リオデジャネイロ大会ではチーム戦で銀メダルを勝ち取った僚友だが、個人戦ではメダルを争うライバルだ。また負けるわけにはいかなかった。

 球を投じて声を張り上げるなど、珍しく感情をあらわにしながらもプレーは冷静そのものだった。約20年間の競技人生で培った繊細なタッチと 緻密ちみつ な戦略で試合を優位に進める。天然や人工皮革など硬軟六つの持ち球を駆使し、ボールを乗り上げさせてジャックボール(目標球)に接触させる得意技「スギムライジング」が威力を発揮し完勝した。

 先天性の脳性まひで手足の動きが不自由なため、できるスポーツは限られていた。特別支援学校の高等部3年の時、先生が見せたビデオがボッチャとの出会いだった。01年に本格的に競技を始めて大会にも出場したが、そこからパラの舞台にたどり着くまで10年の月日を要している。

 地元静岡のビルの会議室を中心に練習するスタイルは今でも大きく変わらない。一方、東京パラ開催で取り巻く環境が大きく変化した。愛好者が増え、カップ戦や若手育成を目的とした「全国ボッチャ選抜甲子園」など大会が新設され、競技力は向上し若い世代も台頭した。迎える東京大会で日本初の金メダリストになれば、ボッチャの勢いを象徴する存在にもなるはずだ。

 競技をリードしてきた第一人者だからこそ初の称号を渡したくない。「チャレンジャーの気持ちを持ちながら、これまで積み上げてきたものを出し切るだけ」。その先に、栄光は待っている。(畔川吉永)

  すぎむら・ひでたか  1982年生まれ。静岡県出身。脳性まひのために両手足が不自由で、高等部3年で競技と出会う。パラリンピックはロンドン大会に出場、リオ大会ではチーム(脳性まひ)でボッチャ日本勢初のメダルとなる銀を獲得。東京大会では主将を務める。伊豆介護センター所属。

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2281174 0 東京パラリンピック2020速報 2021/08/13 05:00:00 2021/08/23 12:18:47 「火ノ玉JAPAN SPECIAL GAMES -ONE BOCCIA-」ボッチャ日本代表チームの壮行試合で投球する杉村英孝(13日、武蔵野総合体育館で)=沼田光太郎撮影ボッチャ日本代表チームの壮行試合で投球する杉村英孝(13日)=沼田光太郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210812-OYT1I50159-T.jpg?type=thumbnail
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