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[パラ友]増田明美さんとの開幕直前トーク(対談全文、後編)

 
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 読売新聞パラリンピック・スペシャルサポーターを務める俳優の中尾明慶さん(33)と女優の仲里依紗さん(31)夫妻が、1984年ロサンゼルス五輪女子マラソン代表で日本パラ陸上競技連盟会長の増田明美さん(57)にインタビューし、東京パラリンピックの見所や大会の意義、パラスポーツの魅力を聞いた。今回はその後編をお届けします。(対談はリモートで行われました)

中尾「競泳の木村敬一選手や、車いすラグビーの池崎大輔選手にもお会いしたことがあります。どなたかエピソードはご存じですか?」

増田明美さん
増田明美さん

増田「池崎さんはシンポジウムでお会いして……。あの人、面白いですよね。今回、無観客でできないけれど、『ビール飲みながら、倒れた時は笑ってくださいよ』とか言ってくれる。木村敬一さんにも注目しています。木村さんは、大学1年生の時から知っていて、2009年アジアユース・パラゲームズというのが日本で開かれて、木村さんが大学1年生で日本チームの主将だったんですよ。私がその時になぜか選手団長だったの。木村さんがすごいなと思ったのは、主将と団長ってことあるごとに一緒にあいさつしなきゃいけない。大体、木村さんがあいさつした後に私があいさつなんだけど、木村さん全盲でしょ?なのにめっちゃくちゃスピーチが上手なの。短くて笑わせるのね、私やりづらくてしょうがなかったのよ。で、私は話が長いしね。『なんであなたそんなにスピーチが上手なの?』って聞いたらね、『何も見てませんからね』っていったの。とにかく面白いし、賢いし、それで競技力も米国に行ってどんどん上がっている。海を越える人って強くなりますよね」

中尾「やっぱり違うんですかね?世界に出るというのはアスリートの方にとっては」

増田「うん、やっぱり覚悟が違う。言葉の壁を越えなきゃいけないし、生活習慣も違う。だから、たくましさなんかが身につくのだと思う」

中尾明慶さん(左)と仲里依紗さん
中尾明慶さん(左)と仲里依紗さん

中尾「木村選手は、僕がお会いしたときは泳いでいるところも見て、僕よりも泳ぎがすごかった。プールサイドに上がった時に、更衣室に歩いて行くときに連れて行かれる方がいて、その時に初めて『目が見えないんだ』って思った」

増田「中尾さんご自身は、スポーツ経験は?」

中尾「僕はスイミングやっていんたんですよ」

増田「じゃあ余計に」

中尾「今回、五輪はうまくいった人もいれば調整が難しい人もいて」

増田「男子がね、やっぱりね」

中尾「そういう流れみたいなものもあるから、そこを木村選手が、競泳男子を盛り上げてほしいなって思います」

木村敬一さん
木村敬一さん

増田「木村さんやってくれるんじゃないかな?リオの時にも『金メダルを取れなかった』って言っていて、銀でいいんじゃない?っていうくらい頑張ったのに悔し涙を流していましたね」

仲「すごい期待します」

中尾「(仲に向かって)お会いした人で誰かいる?テコンドーの方とか」

増田「テコンドーも強いよね。あの人……」

中尾「太田渉子さん?」

増田「太田さんだ」

中尾「会ったことありますか?」

増田「あります。すごく明るくてね、パワーがすごかった」

太田渉子さん
太田渉子さん

中尾「僕、蹴られたんです」

一同「(笑い)」

中尾「あと、柔道の広瀬夫妻(悠さん、順子さん)とか」

増田「そうだよねー。仲良くてね」

仲「そう、仲良しで」

増田「私、ほら夫の悠さんが、自分のことよりも順子さんが勝ってくれたらいいって感じで。順子さん大好きなんだよね」

中尾「(悠選手が)『僕はいいんです』って感じでした」

増田「柔道はトルコが強い。順子さんのライバルになりますね」

中尾「いやぁ楽しみだなぁ」

パラは五輪よりも「社会を変える力ある」

増田「本当ですね。五輪は素晴らしかったけど、社会を変えるちからはパラの方があるんじゃないかなって思うんですよ。だってさ、競技場の中に当たり前に多様性があるじゃないですか。義足の人もいれば、車いすの人もいれば、視覚障害者の人もいて。それぞれがある機能を最大限生かそうと思って頑張っている。だから、応援しながらも当たり前のように多様性を受け入れたり、共生社会ってやっぱりいいよねっていうのが。国内の試合なんか行っても、ボランティアの方がパラスポーツに対する価値というのをすごく感じてくれていて、大学生や高校生、若い人たちがサポートしてくれるんですよ。だから、そういう中で支えながらも社会を変える力になっている。色んな意味で可能性は大きいですよね」

広瀬順子さん(左)と悠さん
広瀬順子さん(左)と悠さん

中尾「やっぱり年々盛り上がってきていますか?」

増田「盛り上がっている。メディアの方々のおかげでね。2012年ロンドン大会から変わってきているんですけど、2012年の前なんか本当にパラの扱いって新聞にしてもテレビにしたって少なかったでしょう?それが今や本当に毎日必ずなんか画面でも出るし、新聞でも紹介してくれている。それが当たり前になっているじゃないですか。変わりましたよ」

中尾「東京大会が、一番パラリンピックが注目される大会になるといいですよね」

増田「そうですね」

仲「私たちも会場に行きたかったんだけどなという気持ちも強くてね。取材しているだけで、生でちゃんと見たかったなというのはありますけど、残念ですけど」

増田「取材していたら、みたいよね」

仲「そうなんです」

増田「大人の仲さんも、そう思うでしょ。私、甥っ子がね、ジャパンパラ陸上を見に来たことがあったんですよ。まだコロナになる前に。そしたら子どもだから、義足の選手なんかが義足を付けているときにね、脚に包帯をしているじゃないですか。そこ行って『お兄ちゃん、それ痛くないの?』って聞いたりね、車いすの選手を見たら『乗せて』なんて言って、見ていたらヒヤヒヤして。思ったこと聞いちゃうから。そしたらね、その大会を見た後に、甥っ子が、引っ込み思案だったのが、けっこう声が大きくなったとかね、あと、質問とかで手を上げるようになったとか行って、ジャパンパラを見たあとに甥っ子が変わった姿を見て、やっぱりこういうのって子どもにも見せなきゃいけないなと思っていてね。なんか子どもってすぐ感じるから、ありのままを。

中尾「うちの息子もね、トライアスロンの大会があったときに一緒に行って、親としてもすごく良い経験をさせてあげられた。障害のある方に、会った時にどうしていいか分からないというのが、僕自身もあって、どうやって声をかけるのが正しいのかっていうのが未だに迷っちゃうんですけど。もっと普通に「なんか手伝うことある?」っていうくらいに話しかけられる、自然に障害のある方達と接せられる自分になりたい。子どもにもそういう風に育っていってほしいなっていうか。なんていうか、一歩構えちゃうところも、どこかにある。それがパラリンピックのお仕事をさせていただくようになって、変わってきた。みんな明るいし、自分を可哀相だと思っている人は一人もいないんで

増田「いないですよね!」

中尾「そこに僕は感動して。なんか自分が捉えていた障害者の人への向き合い方ってなんか間違っていたなと思い知らされた瞬間もあった・やっぱり観客が入るかどうかは分からないけど、メディアでもっともっと発信していって、ふれあう機会が増えると良いのかなって思います」

増田「トライアスロンの大会は、この前の五輪ですか?」

中尾「違います。コロナになる前の大会で、パラリンピック前の最終調整。結局、パラが延期になっちゃいましたけれど。コロナっていう前だったので、見に行けて、選手たちともふれあえました」

増田「それって、何者にも代えがたいいいことを学んでますよ。何歳ですか?お子さん」

仲「今年で8歳です」

増田「ちょうど良いと思います。そういう経験。オリンピアンの100メートルの山県亮太選手ってご存じですか?」

中尾「はい」

高桑早生さん
高桑早生さん

増田「山県選手は、同じ大学に高桑早生さんっていう女子の選手がいるんですよ。100メートルも走るし、走り幅跳びもする選手。大会前に山県さんと高桑さんが、一緒に合宿したんですって。そしたら山県さん言っていました。『高桑さんから学ぶ事が多かった』って。今ある機能を最大限生かしてやる動きが、自分の方が学べたって言っていて。

中尾・仲「へー」

増田「なんと、高桑さんのコーチはと山県さんのコーチは同じ方なんです。だから、高桑さんを教えたコーチが山県さんを教えて、それで山県さん強くなったんですよ。英国はすでに五輪パラリンピックの前に合同合宿を南アフリカでしています。日本も、これから五輪とパラリンピックの選手が合同で合宿する機会が増えてくると思います。

中尾「へーおもしろい!」

仲「そういう、学びの気付きみたいなのも年々ね、あるんだったらね」

増田「あるんですよ。さっき言ったトライアスロンはすでに五輪パラ一緒の合宿を宮崎でしているんですよ。だから競技によってそれができているところとできていないところがあって」

中尾「へー楽しみですね」

増田「絶対、日本にはパラリンピックの後にいいものが残ると思いますよ」

仲「そうですね」

増田「街のバリアフリー化も、競技場の周りなんかは進んでいるところも多い。選手たちから出される、個人の能力のすばらしさから多様性をね。そういうのが自然に出てくるので、たくさんの人にみてもらいたいと思っています」

仲「そうですね。なんか多目的トイレが快適に作られているっていうのをテレビで見ました」

増田「それも、日本の財産ですよね」

仲「競技場の多目的トイレがちゃんとクーラーがついていて、一番すごかったって。素晴らしいなって思いましたね」

増田「あんなトイレ、世界にないですもんね。あそこで暮らせるもんね」

一同「(笑い)」

仲「暮らせる……」

増田「暮らせる、暮らせる!ベッド持って行きたくなっちゃいますよ」

大会後のスポンサー課題に

中尾「大会が終わった後に、増田さんから見て不安に思うことってありますか」

増田「不安に思うところはさ、スポンサーかな。東京パラリンピックまではというスポンサーが多い。選手はスポンサーさんの、協賛金でいろんなことができたの。合宿もできたし、いろんなところで道具を作りかえたりとか。協会なんかも、それで合宿を開く機会なんかもできたんだけど、それが本当に少なくなっちゃいますよね。陸上で言えば、来年、神戸で世界パラ選手権っていう世界大会が開かれるんです。やっぱりスポンサーのことなんかがどうしようか、頑張って集めなきゃというところにきているので、だから東京パラで盛り上がって、よし、応援するよっていう感じで選手達に頑張ろうねっていっています」

中尾「そういうことがあるんですね。パラリンピックでスポンサーがついているとはいえ、厳しい状況ではあるんですか?」

増田「厳しいですよ、本当に。スポンサーのゴールがありますから」

中尾「お金のことはこの先もずっとね……。今回の大会でものすごく盛り上がって、次のパラ世界選手権とかも注目されるといいですけどね

増田「そう!それを願っていますよ。だから、また注目度が増すことを願っています。パラってSDGsと関係しているからね。一人も取り残さないっていうところで色んな種目があるから、時代としては合っているんですよね。もっともっと注目されて、選手の魅力が発信されないと応援しようという気持ちにならないと思うので。やっぱり選手の競技者としての格好良さっていうのを皆さんに見てもらって、応援してくれる人を増やしていきたいと思っていますよ」

中尾「人柄も、素敵な人が多い。今まで、お会いした方は皆さん本当に素敵な方達で、本当に人として好きになった。だからこそ会場に行きたいと言う話をしていたんですけど、今こういう状況で厳しかったりするんで」

増田「でも選手だってさ、中尾さんと仲さんに来てもらってうれしいと思うよ。テレビで見ていて、映画で見ていて、ドラマで見ていて、中尾さんと仲さんが来てくれるっていったら佐藤友祈さんもそうだけど、みんな夢中になって喋っちゃうんだと思う」

一同「(笑い)」

中尾「佐藤選手が金メダル、世界新記録出したら、僕のYouTubeに出てくれるっていうんで、ちょっとお願いしていて……」

増田「そうですか! 出すよ、彼出すと思うよ」

中尾「だからもう楽しみ。必ずまた会いに行きたいと思います」

増田「よろしくお願いいたします。友祈さんのことも」

一同「(笑い)」

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2307759 0 東京パラリンピック 2021/08/24 03:00:00 2021/08/24 03:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210817-OYT1I50072-T.jpg?type=thumbnail
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