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水上は「究極のバリアフリー」、200メートルのスピード競う…パラカヌー

 
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 パラリンピックのカヌーは、2016年のリオ大会から正式競技に採用され、東京大会では、新たに「ヴァー」という種目が加わりました。初代のメダリストは誰になるのか、注目です。パラカヌーの魅力を紹介します。

200メートルのスピード勝負

 パラリンピックでは、200メートルの水路をいかに速く進むかの「スプリント」のみが行われます。リオ大会ではカヤック種目だけでしたが、今大会から艇の横にアウトリガーという浮き具を使用するヴァーという種目が追加されました。

 試合は1艇に1人が乗り、8艇が一斉にスタートし、パドルをこいでタイムを争います。両種目とも障害や運動機能でクラス分けが行われ、障害が重い順に、 L1 (胴体を動かすことが難しく、肩と腕だけでこぐ)、 L2 (下肢で踏ん張れないが、胴体と腕を使ってこぐ)、 L3 (脚や胴体、腕を使って艇を操る)の三つにわかれます。

爽快なスピードやパドルの音にも注目

 日本障害者カヌー協会で広報を担当する上岡央子さんは「水上は段差がなくバリアフリー。障害のない世界を作るうえでも魅力的な競技」と語ります。

 障害のクラス分けの上でレースが行われますが、200メートルをこぎきる、という点では同じ。水の上を軽快に“走り抜ける”ようなスピード感や、パドルをこぐ力強い音が競技の魅力といいます。

 選手はルールの範囲内で、座席やコックピット内部を改造できます。カヌーをこぐ力強さや安定感に「これが障害を持つ人のスポーツか」と上岡さんは驚いたそうです。

 日本代表の仕上がりも上々といい、「女子はどの選手もメダルを狙える位置にいる。瞬発力や体力がいる過酷な競技だが、良いパフォーマンスを皆さんに見てほしいです」と話してくれました。

「幻の五輪」で中断も…

日本パラカヌー選手権大会でゴールを目指す、選手たち(2019年9月6日撮影)
日本パラカヌー選手権大会でゴールを目指す、選手たち(2019年9月6日撮影)

 最古のカヌーは6000年前にもさかのぼりますが、スポーツとしてのカヌーは19世紀中頃にイギリスで誕生します。イギリスのテムズ川で近代的なカヌーの一種が登場し、スコットランド出身の弁護士、ジョン・マクレガーが紹介したことをきっかけに人気が高まりました。五輪競技に採用されたのは1936年のこと。

 日本では、1940年の「幻の東京五輪」前に一度、日本カヌー協会が設立されましたが、大会は中止になり、日本カヌー協会も国際カヌー連盟から離脱。1960年に日本協会が復活しました。パラカヌーが芽吹いたのは、1991年です。障害者カヌー体験会が吉野川(奈良県五條市)で開かれました。2010年には初の世界選手権がポーランドで開かれ、16年にパラリンピックの正式競技に採用されました。

競技の裾野広がる

日本パラカヌー選手権大会で、懸命にパドルをこぐ瀬立モニカ(2019年9月6日撮影)
日本パラカヌー選手権大会で、懸命にパドルをこぐ瀬立モニカ(2019年9月6日撮影)

 パラカヌーが正式競技として採用されたリオ大会で、日本人で唯一出場した女子の瀬立モニカ選手が8位入賞。2010年に世界選手権大会が開かれてから競技の裾野が広がり、イギリスやブラジル、オーストラリアなどで他競技からの転向組が実力を伸ばしています。

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2300464 0 東京パラリンピック2020速報 2021/08/20 15:02:00 2021/08/20 15:02:00 日本パラカヌー選手権大会 ゴールを目指し、懸命にパドルをこぐ瀬立モニカ(2019年9月6日)(東京都江東区の海の森水上競技場で)=泉祥平撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210818-OYT1I50040-T.jpg?type=thumbnail
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