ニュース

声を信じて見えない世界跳ぶ…パラ走り幅跳びの高田千明選手、元五輪選手と信頼培い恐怖克服

 
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 声を頼りに、見えない世界を駆け、空中へ跳び出す――。陸上女子走り幅跳び(視覚障害)の高田千明選手(36)(ほけんの窓口グループ)は、踏み切り位置を伝える「コーラー」の大森 盛一しげかず さん(49)との信頼関係を培い、恐怖心を乗り越えた。(松田祐哉)

大森さん(左)の声を頼りに跳躍する高田選手(7月26日、北海道苫小牧市で)
大森さん(左)の声を頼りに跳躍する高田選手(7月26日、北海道苫小牧市で)

 「イチ、ニ、サン、シ、ゴ」。27日午前、無観客の国立競技場に響く大森さんの声と手拍子に合わせ、駆けだした高田選手が勢いよく砂場に跳び込む。1回目にいきなり自身が持つ日本記録を5センチ上回る4メートル74の跳躍を見せた。

 競技を始めたのは約9年前。息の合った関係になるには長い時間がかかった。

 走り幅跳びはコーラーの声を頼りに走り、踏み切る。まず、真っすぐに走るのが難しい。走れても砂場の外に着地する恐怖で跳べず、何度もそのまま駆け抜けた。

 「跳べよ」。大森さんから 叱責しっせき されても、体が拒否反応を起こしてどうにもならない。「跳べないんだってば」。練習を途中で打ち切ることもあった。

 「本当に危ない時は体を張って止めてくれる。大森さんがダメって言わなければ跳んでも大丈夫」。そう信頼できるまで、数年を要した。

 出会いは2006年冬。先天性の病気の進行で視力を失った高田選手が、「風を切って全力で走りたい」と地元・東京の陸上クラブの門をたたいた。

 コーチだった大森さんは、短距離で五輪2大会に出場した元選手。練習を休まない高田選手の熱心さは見ていたが、深く指導には関わらなかった。

残り:341文字/全文:1109文字
読者会員限定記事です
新規登録ですぐ読む(読売新聞ご購読の方)
無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2319476 0 東京パラリンピック2020速報 2021/08/27 15:00:00 2021/08/27 16:28:29 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/s-mienai.jpg?type=thumbnail
続きを読む

「陸上(パラ)」のニュース

パラリンピック 新着ニュース