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座った姿勢で時速48キロのサーブ、シッティングバレー女子日本代表初戦…超高速の「拾って・上げて・打つ」

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 東京パラリンピックは27日、シッティングバレー女子の予選が行われ、日本はパラ初出場のイタリアに0―3でストレート負けを喫した。その名の通り、座った姿勢でバレーボールをするこの競技。世界レベルの選手たちが繰り広げる超高速の攻防は、この競技の取材経験が少ない記者にとって、驚きの連続だった。(読売新聞オンライン 古和康行)

 シッティングバレーでは、お尻を床から離すと「リフティング」という反則になる。このため選手はお尻を床に着けたまま、腕の力などを使って滑るように移動し、ボールを追う。鍛え抜かれた上半身から放たれるサーブに、座った姿勢で素早く反応してレシーブし、トスを上げ、アタックをたたき込む。そんな競技だ。

シッティングバレー女子のイタリア戦に出場した菊池智子(中央)(27日、幕張メッセで)
シッティングバレー女子のイタリア戦に出場した菊池智子(中央)(27日、幕張メッセで)

 記者がまず目を見張ったのは、サーブのスピードだ。東京大会で最初のゲームとなった日本―イタリアでは、日本の菊池 智子(さとこ) が最初のサーブを打ち込んだ。高い打点と鋭いサーブが武器のアタッカーで、真野嘉久監督からも「強烈なサーブ」を高く評価されている。

 第3セットで菊池が放ったこの日の最速サーブは、時速48キロに達した。プロ野球などで150キロの速球といった言葉に慣れているスポーツファンには凄さがピンとこないかもしれない。だが、このサーブを秒速に直すと13・3メートルだ。シッティングバレーのコートは縦10メートル(横幅は6メートル)で、サーブはコート端で打つから、0・4秒とかからずに相手コートへ到達している。しかも、野球よりずっと大きなバレーボールが飛んでいく。見ているだけでも怖くなるほどの剛速球だった。

 わが身を振り返ってみる。座った姿勢のまま何かをするのは難しい。あぐらをかいてテレビを見ているとき、周りを動き回る幼い娘を捕まえるのは簡単ではないし、少し遠くにあるリモコンに手を伸ばしてバランスを崩して倒れてしまったこともあった。記者の運動不足を差し引いて考えても、座った姿勢で約10メートル先から飛んでくる速球に反応して打ち返すなんて、夢のまた夢に思える。

 「これは決まった」と思われた菊池の最速サーブは、イタリアにしっかり拾われ、返球された。菊池のほうも、サーブを放った直後に一瞬で2メートルほど動いて守備についていた。サーブをそのままアタックすることが認められていることもあり、素早い好守の切り替えが欠かせない競技なのだ。選手たちの技術力と身体能力の高さに、唖然とさせられた。

 イタリアの打点が高いサーブとブロックに押され、日本は攻め手を欠いたまま、ストレート負けを喫した。菊池は試合後、「ミスが多かった。チームとして自滅してしまった」と反省しきり。ただ、「悪いところは出きったので、次に向けて切り替えたい」とも話し、「チームでも『世界一のサーブ』を目指して練習を重ねてきた」と、サーブへの自信も崩れていない。8月29日に予定されるブラジルとの次戦以降で、巻き返しを見せてほしい。

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2319765 0 東京パラリンピック2020速報 2021/08/27 16:43:00 2021/08/27 16:43:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210827-OYT1I50133-T.jpg?type=thumbnail
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