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男子66キロ級で、瀬戸勇次郎(福岡教育大)が3位決定戦でジョージア選手に一本勝ちし、銅メダルに輝いた。女子48キロ級の
豪快 内股すかし

技ありで先行されても、瀬戸はひるまない。自ら仕掛けて返された結果。流れは来ていた。すぐに技ありを取り返すと、最後は相手の内股に反応。右脚を抜き、そのまま豪快に押し倒す「内股すかし」の一本で銅メダルを決めた。「めっちゃうれしい。前に出るほかないと思ったので」。畳を下り、笑みがこぼれた。
男子66キロ級といえば、東京五輪で金メダルに輝いた阿部
瀬戸は先天性の弱視だったが、健常者柔道から転向したのは高校3年の2017年。大ベテランの藤本に対し、当初は全く歯が立たなかったものの、正統派の投げるスタイルが、組み合って始めるルールにすぐなじんだ。直接対決で2連敗後に4連勝。国際大会でもポイントを重ね、今年6月、ようやく内定をつかんだ。昨年、コロナ禍で大学の道場が閉鎖された中、前向きに走り込みで脚力を鍛えられたのも、「最後まで争っていたからモチベーションを保てたかな」。
感慨に浸ったのもつかの間、「やっぱり君が代が聴きたかった」。21歳の若きエースは、パリで金メダルを目指す。(波多江航)