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東京パラリンピックでは28日、東京都江東区の有明体操競技場で、「ボッチャ」の予選が始まり、日本代表も出場した。ボッチャは障害の有無にかかわらず愛好者が増えており、ボッチャ大会に出場するチームが普及活動に取り組むなどさらに裾野が広がっている。
チーム、普及活動
ボッチャは、コートに置かれた白い目標球に向けて、対戦相手とボールを投げ合い、より多くの球を目標球の近くに集めた方が勝ちとなる。ボールを目標球や相手のボールにぶつけて動かすことができ、正確な投球術と戦略が求められる。
リオデジャネイロ大会で日本代表が初めて銀メダルを獲得したことで人気が高まり、日本ボッチャ協会(東京)の登録会員は今年、1000人を超えた。
国内大会に出場するチームによる普及活動も始まっている。2019年に東京で開催された大会で3位に入った東洋学園大学(東京都文京区)のチームは6月、千葉県流山市の市立小山小で、約220人の6年生に体験授業を開催した。
部長の橋本昂典さん(22)らメンバー3人は全員が車いす生活をおくる。授業では、ルールやボールの投げ方を教えた後、子どもたちを審判にしてプレーもしてもらった。また、橋本さんが車いすを理由に入店を断られた経験なども語った。
ボッチャを初めて体験した女児(11)は「ボッチャの面白さを親や友達にも伝えたいと思った。車いす利用者を見かけたら、手伝えることはないか声をかけていきたい」と話した。
チームは都主催のイベントなどでも体験会を開く。橋本さんは「ボッチャを通じて障害者への認識も変えていける」と力を込めた。
企業での人気も続く。大手企業約100社などでつくる「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会」は17年以降、企業対抗の大会を全国で開催。20年初めまでの23回の大会には、延べ約1270団体から約8500人が参加した。
日本ボッチャ協会の三浦裕子・事務局長(52)は「今大会はボッチャをさらに広く知ってもらう良い機会になる。共生社会の実現や多様性を考えるスタートラインにようやく立つことになるのではないか」と語った。