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宇田 不屈のラン…トライアスロン

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 東京パラリンピックは28日、日本勢がメダル4個を獲得した。トライアスロン男子の運動機能障害PTS4で宇田 秀生ひでき (NTT東日本・NTT西日本)が銀、視覚障害で米岡 さとる (三井住友海上)が銅。競泳男子150メートル個人メドレー(運動機能障害SM4)の鈴木孝幸(ゴールドウイン)、卓球女子シングルス(知的障害)の伊藤槙紀(CTCひなり)はともに銅に輝いた。

 陸上男子走り幅跳び(義足T63)の山本篤(新日本住設)は6メートル75のアジア新記録をマークし、4位に入った。女子400メートル(上肢障害T47)の辻沙絵(日体大助教)は5位。

トライアスロン男子で銀メダルを獲得し、日の丸を手に喜ぶ宇田秀生=池谷美帆撮影
トライアスロン男子で銀メダルを獲得し、日の丸を手に喜ぶ宇田秀生=池谷美帆撮影
宇田のスイム(中央)
宇田のスイム(中央)
宇田のバイク
宇田のバイク

 車いすテニス女子シングルスの上地結衣(三井住友銀行)はストレート勝ちで1回戦を突破した。(記録は時事)

 男子では、宇田が銀、米岡が銅メダルに輝いた。女子では、秦由加子(キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・ブリヂストン)が運動機能障害PTS2で6位。円尾敦子(日本オラクル・グンゼスポーツ)は視覚障害で11位だった。

[聖火]「諦めない」逆転2位

 ゴール目前、宇田は日の丸を握りしめた左拳を何度も突き上げた。「色んな気持ちがこみ上げてきた。すごく幸せな最後のストレートだった」。トライアスロンで日本勢初のメダルをつかみ取った。

 2013年に妻の亜紀さん(38)と結婚。その5日後、滋賀県内の建設会社の施設で、仕事中に利き腕の右腕をベルトコンベヤーに挟まれた。亜紀さんの支えもあり、リハビリのために行った水泳をきっかけにトライアスロンを開始。小学校から大学までサッカーに打ち込んだスポーツマンは、事故から2年後にアジア選手権で優勝するなど頭角を現した。

 初のパラ大会で、1種目目のスイムは8位と出遅れたが、残り二つは得意種目。「(ペダルを)踏めるだけ踏んで、あとはどうにでもなれ」とバイクで飛ばす。前半トップのタイムをたたき出して3位に浮上。最後のランでは約30秒前を走っていたスペイン選手をかわし、銀メダルを手にした。「最後まで諦めない」が身上の、宇田らしい追い上げだった。

 トライアスロンは前回大会から正式競技に採用されたばかり。富川 理充まさみつ ヘッドコーチは「メダルという目標を口では言っていたものの、選手を送り出すところで満足してしまった」と前回を振り返る。

 東京大会に向け、障害のクラスごとに選手を強化。バイクの本番コースはコーナーが多いが、選手やスタッフは早くから映像を見てイメージを膨らませた。日本代表として掲げた目標は「複数のメダル獲得」。東京五輪を目指す健常者と一緒に練習することもあった宇田が期待に応えた。

 「僕が競技者として走っているだけで、みんなで走ってきた」。寄り添ってくれた妻や息子たち、サポートしてくれた周囲への感謝が、涙となってあふれた。「どんどんトライアスロンが広がっていけばいいな」。新たな歴史を作った25・75キロは、多くの人の胸に刻まれた。(平沢祐)

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2323162 0 東京パラリンピック2020速報 2021/08/29 05:00:00 2021/08/29 05:00:00 トライアスロン男子で銀メダルを獲得し、喜ぶ宇田秀生(28日、お台場海浜公園で)=池谷美帆撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210829-OYT1I50013-T.jpg?type=thumbnail
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