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「女子が当たり前になってほしい」と倉橋…車いすラグビー、女子選手は国内で3人だけ

 
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 東京パラリンピックは29日、車いすラグビーの3位決定戦で日本が豪州を60―52で破り、2大会連続の銅メダルを獲得した。車いすが激しくぶつかり合い、「マーダーボール」(殺人球技)とも称される競技の中で、女子選手では日本の車いすラグビー史上初めてパラ代表となった倉橋香衣(30)(商船三井)も守備のスペシャリストとして活躍した。この競技が男女混合で、女子にも開かれた舞台であることを広く知らしめた倉橋は「女性プレーヤーがふえて、女子だけの大会ができるぐらいになればいい。『女性がいてすごい』ではなくて、女子選手がいることが当たり前になってほしい」と期待した。

リハビリで出会い、2017年に日本代表に

車いすラグビー3位決定戦、豪州を破り銅メダルを獲得し笑顔を浮かべる倉橋香衣(左)、池透暢(中央)ら(29日、国立代々木競技場で)=横山就平撮影
車いすラグビー3位決定戦、豪州を破り銅メダルを獲得し笑顔を浮かべる倉橋香衣(左)、池透暢(中央)ら(29日、国立代々木競技場で)=横山就平撮影

 倉橋は神戸市出身。大学生だった2011年、トランポリンの練習で頸髄(けいずい)を損傷し、車いす生活になった。リハビリの時に車いすラグビーと出会い、17年に日本代表に初めて選ばれて、18年世界選手権の優勝にも貢献した。

 車いすラグビーは、重度障害の0・5点から最も軽い3・5点まで0・5点刻みの「持ち点」がそれぞれの選手に与えられ、コート上4人の合計は8点以内と決まっている。女性が1人入ると、0・5点の追加が許され、女子選手が入ることで、他に運動能力の高い選手を同時に起用できるメリットがある。

 障害が重い0・5点の倉橋は「ローポインター」と呼ばれる選手。ボールを運ぶのではなく、ディフェンスで相手を封じる役割で、相手選手の進路を防いだり、少しでも遠回りさせたりして味方の攻撃選手をサポートすることが求められている。

勝負どころで出場、チームに貢献

 3位決定戦でも倉橋は各ピリオドの勝負どころで途中出場。相手の車いすに突っ込んで「ゴンッ」と音を会場に響かせ、相手選手にぴったりとくっついて動きを食い止めた。豪州の「重戦車」と呼ばれるライリー・バットをチームメートと2人で挟み込み、突進の前に立ちふさがって、チームの快勝に貢献した。

 金メダルを目指した日本は、前日の準決勝で英国に敗れていた。初めてのパラ大会を終えた倉橋は銅メダルに悔しさをにじませながらも「やれることをやろうと臨んで、本当に楽しめた」と振り返った。

男女混合に反響、「うれしかった」

 「肉弾戦」のイメージとは明らかにミスマッチな倉橋が頑張る姿は、ツイッターで「あれだけ体格差のある外国人男性選手が全く動けないって (すご) い」「女性でもガンガンぶつかっていくプレーはかっこいい」「女性の選手が混合で出場できるのも面白い」などと驚きをもって受け止められていた。

 日本車いすラグビー連盟の佐藤裕広報委員長によると、国内の競技人口はおよそ100人だが、女子選手は倉橋を含めて3人にとどまる。競技の普及拡大は今後も課題で、佐藤さんは「イメージは怖いけれど、実際には痛くないので体験だけでもしてもらえたらありがたい。倉橋選手に刺激を受けて、後に続く女子選手が出てきてほしい」と期待する。

 自国開催であり、会場には「学校連携」で子供たちが観戦に訪れたことで、倉橋は「自分の姿をみてもらう機会になった」と振り返った。「男女混合なんだね、と連絡をもらったり、面白いと言ってくれたりする友達がこの大会を通して多かったので、うれしかった」と、今後の競技普及に期待を込めた。(読売新聞オンライン・谷口愛佳)

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2324013 0 東京パラリンピック2020速報 2021/08/29 19:21:00 2021/08/29 19:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210829-OYT1I50084-T.jpg?type=thumbnail
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