ニュース

佐藤、王者の逃げ…陸上1500「金」

 
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 男子1500メートル(車いすT52)では、佐藤 友祈ともき (モリサワ)が3分29秒13のパラ新記録で、400メートルに続き金メダルを獲得した。 上与那原うえよなばる 寛和(SMBC日興証券)も今大会2個目の銅メダル。開幕直前に障害が一つ軽いクラスに変更された伊藤智也(バイエル薬品)は男子400メートル(車いすT53)で決勝に進めなかった。

記録より勝負 冷静判断

陸上男子1500メートルで金メダルに輝いた佐藤友祈(右)。後ろから2人目は銅メダルの上与那原寛和=鈴木毅彦撮影
陸上男子1500メートルで金メダルに輝いた佐藤友祈(右)。後ろから2人目は銅メダルの上与那原寛和=鈴木毅彦撮影

 必死の形相でゴールを駆け抜け、佐藤が右腕を突き上げた。首位で最終コーナーを回ると、2016年リオデジャネイロ大会覇者のレイモンド・マーティン(米)を直線で引き離し、400メートルに続いて今大会二つ目の金メダルを手にした。

 佐藤にとっては想定外のレース展開になったが、冷静に作戦を切り替えた。

 レーン固定の400メートルと異なり、自由に走れる1500メートルは位置取りも重要。最初から飛び出すか、前走の選手を風よけにして体力を温存し、終盤勝負か――。過去の大会で先行して逃げ切ることが多かったマーティンが、いきなりピタリと佐藤の後ろについた。自身の世界記録更新も狙い前半から飛ばすつもりだった佐藤は「想定外だった。ゴールする瞬間に抜こうとする意識が伝わってきた。銀で終わるのは、かっこよくない」。2周目に入って記録を諦め、ラストスパートに備えて力を残した。

 パーソナルコーチの指導のもと、厳しい練習をこなしてきたから自信はあった。たとえば、400メートルを休憩1分で5本走り、それを3セット。スピードアップは実感していた。

 10年に脊髄炎が原因で車いす生活となり、希望を与えてくれたのはパラアスリートたちだった。「残された機能を最大限に生かして競技をしている選手にすごく感銘を受け、夢を持てた」。自らの活躍で、同じ思いが広がることを願っている。

 「競り合って勝ち取った金メダル。これは非常に価値があると思う」と佐藤。銀メダル2個だったリオの雪辱を果たし、王者の強さを証明した。(帯津智昭)

上与那原「銅」

 400メートルと同じ銅メダルをつかみ取った50歳の上与那原は「まだまだ若い者には負けませんよ」とはにかんだ。400メートルを過ぎてから先頭の2人に引き離されていったが、落ち着いていた。「これ以上ついていくと追えなくなるから、少し減速した」。2008年北京大会ではマラソンで銀。トラック種目に転向したとはいえ、体力には自信がある。近年は、「(速度を)落としすぎない走り」にも力を入れてきた。遠ざかる背中を追い、最後まで順位を守った。「感謝を伝えるために全力で頑張る。その思いだけだった」。誇らしげに笑った。

直前クラス変更 伊藤が予選敗退

 自己ベストの57秒16を記録したものの、58歳の伊藤は予選11位にとどまり、今大会での戦いを終えた。開幕直前に障害の程度が一つ軽いT53クラスに変更されており、変更前のT52なら銅メダルに相当するタイムだったが、「練習では54秒台後半、55秒台が出ていたので、実に平凡なタイム。『この1本でパラリンピックが終わる』という思いが気負いになったのかな」と結果を冷静に受け止めた。レースはクラス分けの手順の一つである「競技観察」も兼ねており、伊藤はT53で確定した。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2324847 0 東京パラリンピック 2021/08/30 05:00:00 2021/08/30 05:00:00 陸上男子1500メートルで金メダルに輝いた佐藤友祈(右)。後ろから2人目は銅メダルの上与那原寛和(29日、国立競技場で)=鈴木毅彦撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210830-OYT1I50013-T.jpg?type=thumbnail
続きを読む

「陸上(パラ)」のニュース

パラリンピック 新着ニュース