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亡きライバルへ手向けの「1勝」、アーチェリー・大山「3ミリ差」で激闘制す

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 東京パラリンピックは30日、アーチェリー男子個人(車いす)が行われ、大山晃司(警視庁)は準々決勝で敗れた。メダルには届かなかったが、1回戦では神がかり的な試合展開から、今年亡くなったライバルへ手向けの白星をあげた。(読売新聞オンライン 古和康行)

 1回戦で大山は、序盤から効果的に10点を射抜き、世界ランキング9位の韓国人選手を相手にリードする展開だった。ただ、的の中心から大きく外れるショットも混ざるなどバラつきがあった大山とは対称的に、全て8点以上でまとめてきた韓国選手は、最終の第5エンド、大山の5点のミスショットを尻目に手堅く9点をそろえて4点差を追いつき、勝負は延長のシュートオフに突入した。

アーチェリー男子個人準々決勝で、トルコの選手と戦う大山晃司(30日、夢の島公園アーチェリー場で)
アーチェリー男子個人準々決勝で、トルコの選手と戦う大山晃司(30日、夢の島公園アーチェリー場で)

 シュートオフでは、先攻の韓国選手が10点を射抜いたが、大山は「緊張しなかった」。左目をつぶり、見据えた的を狙うと、歯で引いて放つ「口引き」と呼ばれる手法から放たれた矢は10点に的中。より中心に当てた方が勝つルールで、大山が勝利を収めた。その差はわずか3ミリだった。

 脳裏をよぎったのは、代表に内定しながら今年2月に急逝した仲喜嗣さん(享年60)の姿だ。大山は仲さんが亡くなったことを受けて、今大会への出場が決まった、いわば「代役」の選手。今大会は「仲さんの思いを背負って戦う」と心に決めていた。この試合でも、日本選手団は、仲さんに模したぬいぐるみを掲げて応援していた。試合中、大山は何度も何度も声援に手を振って応え、力に変えてきた。

 競技を始めてわずか5年。「3ミリ差」で手にした白星について「仲さんが力を貸してくれた」と語った大山。そして、「1勝をあげたことを報告したい」と話した。

 続く準々決勝では、世界ランキング上位のトルコ選手に敗れ、初めてのパラリンピックは終わった。「海外の手強い選手を見て刺激を受けた。もっとうまくなりたい」と大山。「国内の誰にも負けたくない。自分がトップで居続けるつもりだ」。パラアーチェリーを引っ張ってきた仲さんの後継者としての自覚も備わってきた。

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2327327 0 東京パラリンピック2020速報 2021/08/30 21:27:00 2021/08/31 14:30:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210830-OYT1I50147-T.jpg?type=thumbnail
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